トム・ウェイツ、音楽活動のゴールは「野原へ行くこと」と語る

  • トム・ウェイツ、音楽活動のゴールは「野原へ行くこと」と語る
  • トム・ウェイツ、音楽活動のゴールは「野原へ行くこと」と語る - 2011年作『バッド・アズ・ミー』

    2011年作『バッド・アズ・ミー』

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  • トム・ウェイツ、音楽活動のゴールは「野原へ行くこと」と語る - 2011年作『バッド・アズ・ミー』

今年、「ロックの殿堂」入りを果たし、10月にリリースされた最新作『バッド・アズ・ミー』が米ビルボード・チャートで初登場6位を記録して自己最高位を獲得したトム・ウェイツ。彼が答えた日本からのインタヴュー全文がオフィシャル・サイトにて随時公開されている。

最新作にはキース・リチャーズとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーを迎えたが、これからの作品にゲスト参加してもらいたい人について、「音楽活動のゴール」について、そして、今年で在籍12年目を迎えた所属レーベルANTIについて語ったインタヴューが以下である。

―もし誰にでもゲスト参加してもらえるとしたら、誰に一番ゲスト参加してもらいたいですか?
T:妻のキャスリーン(笑)。本気さ。俺にとっての理想の共演相手だ。

―2番手はいかがでしょうか。
T:それは難しい質問だな。仕事をしてみたいと思う人は果たしているだろうか…。いつの日か、ボブ・ディランのアルバムを是非プロデュースしたいとは思う。

―貴方は今年「ロックの殿堂」入りを果たし、これは貴方が望む望まないに関わらず、自身の活動の功績が世間に認められたこととなりますが、貴方自身が思う音楽活動のゴールとはなんですか?
T:俺自身の音楽活動のゴールか…。わからないなぁ。しいて言うなら、さらに鍛え続ける…、そして深く掘り下げていくこと。深く深く、中国まで掘り続けること。俺は中国(地球の裏側)まで地面を掘っている。そもそもゴールなどあったのかもわからない。俺にとってのゴールは音楽を作ることだった。それを始めた時点で、自分が手に入れたいものは既に手に入れていた。だから、ゴールは・・・、つまりこういうことだ。クラシック音楽で良く使う表現で、オーケストラの演奏が終わった時に「今夜の演奏は特別だった」と言うのに、例えば指揮者が「今夜はみんなで野原へ行きましたね」と言うんだ。そういう表現を聞いたことはあるかい?

―いいえ、ないです。説明して頂けますか。
T:「我々は野原に行った」という言い回しは、つまり、コンサート・ホールは存在してなくて、椅子も楽譜も照明もない場所、「野原」に我々はいる、ということで、音楽を演奏する上での加工されたプロセスを超越したということなんだ。別次元にいたっていうこと。つまり、自分達を高みに上げ、空飛ぶ円盤のように飛んで行ったということだ。

―貴方も実際そういう気持ちになった経験はありますか。
T:何度もあるさ。でも、決して計画を立てて経験できることじゃない。予測できない。やった後でそういうことが起きたってことを認識する以外、自分ではどうすることもできないものなんだ。もしお膳立てできるものだったら、みんな毎晩やっているよ。300本ライヴをやっても「野原」に行けたのは1本だけということだってある。

―その「野原へ行く」という経験を追い求めて毎回ステージに立つわけですね。
T:その通りだ。

―貴方がANTIレーベルに移籍し99年に移籍第1弾アルバム『ミュール・ヴァリエイションズ』をリリースしてから、今年で12年となりました。この年月はトム・ウェイツが過去に在籍した他レーベルよりも長い歴史となりますが、貴方にとってANTIレーベルの魅力とは?
T:まずスタッフにミュージシャンが多いということ。そもそもANTI(エピタフ)レーベルはミュージシャンであるブレット・ガーウィッツ(バッド・レリジョンのギタリスト)が創設した。だから、凄く居心地がいい。会計士や弁護士に囲まれているという感じがしない。みんなこっちの立場を理解してくれている。同じミュージシャン同士だからね。他にもいろいろな面で従来のレーベルとは違っているから、自分にとってはいいレーベルだと思っている。

なお、このほかにも、インタヴューでは日本へのメッセージなどについて語っている。インタヴューの全貌は、日本オフィシャル・サイト(http://www.sonymusic.co.jp/tomwaits)にて随時公開となる。
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