トム・ウェイツ、最新作に参加したキース・リチャーズとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーについて語る

  • トム・ウェイツ、最新作に参加したキース・リチャーズとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーについて語る - 2011年作『バッド・アズ・ミー』

    2011年作『バッド・アズ・ミー』

  • トム・ウェイツ、最新作に参加したキース・リチャーズとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーについて語る
  • トム・ウェイツ、最新作に参加したキース・リチャーズとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーについて語る - 2011年作『バッド・アズ・ミー』
  • トム・ウェイツ、最新作に参加したキース・リチャーズとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーについて語る

10月にリリースされた最新作『バッド・アズ・ミー』が米ビルボード・チャートで初登場6位を記録、自己最高位を獲得したトム・ウェイツ。彼が答えた日本からのインタヴュー全文がオフィシャル・サイトにて随時公開されている。

今回公開されたのは、この最新作にゲスト参加したキース・リチャーズとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーについて語ったインタヴューである。


―今作は、日本では特にキース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)とフリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)が参加していることが話題になっていますが、まずキースがゲスト参加した経緯を教えてください。
T:キースとは友達で、ずっと連絡を取り合っていた。気心が知れているというだけでなく、尊敬と称賛の念を心から抱いている相手だ。カリフォルニアで(ローリング・ストーンズの)公演がある時は必ず顔を出すようにしている。「やぁ」ってね。いわゆる“ショー・ビジネス”と言われている世界で数少ない知り合いの1人さ(笑)。俺の知り合いときたらもっぱら、スクラップ回収所にいるか、靴磨きや皿洗いをやってるような連中ばかりだからな。まぁ、いい。で、今回は、キャスリーン(トム・ウェイツの妻/コラボレーター)が「キースを呼んだらいいじゃない。キースと一緒に歌ったらいいわ」って言い出したんだ。 「“ラスト・リーフ”なんか貴方とキースで歌ったらぴったりよ」ってな。でも、こういうことっていうのは実際やってみなきゃわからない。で、彼に来てもらったら、幾つかの曲を気に入ってくれた、という話。誰だってそうだけど、結局ピンとくるかこないかなんだ。凄く簡単に上手く行くか、どうにも駄目かのどっちかなんだ。で、今回は凄く簡単にことが運んだってわけさ。

―貴方は、米ピッチフォークのインタヴューで、「キース・リチャーズが初めてゲスト参加した『レイン・ドッグス』アルバムの時は緊張した」と答えています。キースの参加は今作で3回目になりますが、今回はどうでしたか?
T:全然違ったよ。『レイン・ドッグス』の時はまだお互いのことをあまりよく知らなかったから、お互い探り合っている感じだった。お互い相手をジロジロ見てね。初対面同士にはよくある話さ。相手に魅了されている反面、怖がっている部分もあるっていう。でも、今回はスムーズだったよ。それに彼は曲に凄く貢献してくれた。特に「シカゴ」。この曲で彼は対旋律を弾いているんだが、その対位旋律が(ビッグ・ジョー・ウィリアムスの)「Baby, Please Don’t Go」なんだ。「♪Baby, please don’t go~ ジャージャジャジャジャ(ギターのリフを歌う)♪」ってね。正に立ち去ることを歌っている歌(「シカゴ」)にぴったりの対旋律だ。「ベイビー、お願いだから行かないで」っていう。彼は膨大な音楽の語彙(引き出し)を内に持っている。そういう部分こそ正に今回俺が求めていたもので、彼はそれを凄く自然にやってのけてしまうんだ。

―ではレッチリのフリーのほうはいかがでしたか。
T:どうだったかな。覚えてないなぁ。おそらく子どもの1人が「フリーに参加してもらってよ!」って言ったんじゃないかな。「フリーに弾いてもらってよ、父さん」って。で、連絡をとったってわけ。彼はロサンゼルスで音楽学校を運営しているんだ。才能あるミュージシャンの卵達に少数精鋭で楽器を教えるという私立の音楽学校なんだけど、面白い話があって、その学校がある建物が、実はかつて俺が父親と一緒に酒を飲んでいたバーなんだ(笑)。学校のことを知って彼に「君の学校はサンボーン通りにあるんだって?」って聞いたんだ。「サンボーンとサンセットの交差点のところだろ?」ってね。で、彼が「そうです」って言うから、「サンボーン・ハウスってバーはまだあるか」って聞いたんだ。そしたら彼が「いや。実はそのサンボーン・ハウスがうちの学校です」って言うんだ。「学校に改築したんです」ってね。「なんて素晴らしいんだ」と思ったよ。以来、彼から何度か学校のボランティア活動に協力してくれないかって頼まれて行ったよ。非営利で運営しているからね。で、今回彼にアルバムで弾いてくれないかって頼んでみたんだ。彼も自分(レッチリ)のアルバムを作っているところだったにも関わらず、わざわざ時間を作って来てくれたんだ。彼は、人柄が温かく、熱心だ。またミュージシャンとしても天性のものを持っている。

なお、このほかにも、インタヴューでは今年度の「ロックの殿堂」入りを果たしたことや日本に対する思いなどについて語っている。インタヴューの全貌は、日本オフィシャル・サイト(http://www.sonymusic.co.jp/tomwaits)にて随時公開となる。
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