現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』1月号に[Alexandros]「ALEATORIC ARENA 4 DAYS」日本武道館ファイナル公演の完全レポート&最新インタビューを掲載!やっと完走できるツアーができそうだなみたいな時に、俺の中で、デビュー戦に近い感じがしたの(川上)
「ALEATORIC ARENA 4 DAYS」ファイナルのすべて!!
完全レポート、そして4人で語った最新インタビュー!
ライブレポート=小池宏和 インタビュー=小栁大輔
日本武道館を少々狭苦しく感じさせるほどの、巨大かつ強靭なバンドサウンドとグルーヴ。そんなライブを、必死というよりもむしろ当然のような表情で繰り広げてしまう[Alexandros]の佇まいに、正直言ってちょっとショックを覚えるステージだった。横浜アリーナと武道館で2公演ずつ、計4公演が行われた「ALEATORIC ARENA 4 DAYS」のファイナル。リアド偉武(Dr)正式加入後にはライブハウスツアー、そしてフェス、イベント出演を駆け抜けてきた。ライブのオープニング映像では、川上洋平(Vo・G)、白井眞輝(G)、磯部寛之(B・Cho)、そしてリアドの4人がコミカルにキャラクター化され、スクリーンに映し出されている。
サポートメンバーのROSE(Key/THE LED SNAIL)を加えたお馴染みの顔ぶれで登場すると、川上のソリッドなギターリフから、豪快にしてドラマティックなインストゥルメンタル曲を叩きつける形でライブ本編がスタート。今回のアリーナツアーにおけるサウンドの基準を打ち立て、オーディエンスにそのスケール感を一瞬のうちに理解させるという意味でも重要な役割を担うナンバーだ。全面LEDの巨大な背景ビジュアルさえ、そのサウンドの手応えの前では決して大袈裟ではない。トマトのロゴマークにFINALの文字が重なったかと思えば、そのトマトが次第に満月へと姿を変え、“ムーンソング”へと連なってゆく。歓声やシンガロングの自粛が求められるライブ環境ではあるけれど、リアドのマーチングビートと折り重なってゆく手拍子の一体感は上々だ。力強さと繊細なロマンティシズムが同居する演奏で、自然に心と身体が衝き動かされる。眼鏡姿の川上がハンドマイクで歌う“Run Away”、そして軽快なギターリフが踊る“FISH TACOS PARTY”と、さながらDJミックスにでも触れているかのように次々と楽曲が披露されていった。「Ready to Party?」と記されたスクリーン上の文字が徐々に欠けていって「Be a st」へと移り変わり、「飛び跳ねろ!」という合図とともにファイヤーボールが吹き上がって“Beast”へと向かう。芸術性の高いCGアニメーションも駆使しながらシームレスに楽曲を繋いでゆくさまは、現代的なダンスミュージックの大規模パーティを彷彿とさせるものだ。明らかに有機的で生々しいロックサウンドを鳴らしているのに、演出や構成は最新の熱狂的スペクタクルを生み出すためのアイデアに満ちている。すごい。(以下、本誌記事に続く)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年1月号より抜粋)