昨年ニュー・アルバム『スリル・オブ・イット・オール』をリリースしたサム・スミスが、同アルバムのプロモーションのために来日。その一貫として、六本木ヒルズにあるYouTube Space Tokyoで行われたYouTube主催の音楽イベント「YouTube Music Night」にサムが出演した。
今回の来日ではフルセットで歌声を披露する場はなく、テレビ収録や情報番組などの出演はあるものの、彼の歌声を生で体験できるのは今回のイベントだけ。さらに抽選で選ばれた数十人のみしか参加できない、まさにプレミアムなイベントだった。
イベントは開始時刻ちょうどにスタート。まずは同イベントのMCを務めるJ-WAVEナビゲーターのサッシャが登場し、少々緊張気味な会場の空気を和ませる。
そして紹介とともに登場したサムは、早速新作『スリル・オブ・イット・オール』より“Too Good At Goodbyes”を披露。ピアノやベース、男女コーラスなども含んだ7名のバックバンドを従え、マイクが必要ないほどの距離でその美声を聴かせてくれた。
1曲目を歌い終わると「アルバムで一番気に入ってる曲だよ」と囁き、美しいピアノの旋律とともに“Palace”を歌い始める。切なくも決意に溢れた表情で歌うサムの姿は、観ている者に25歳という実年齢以上の貫禄を感じさせる。
その後のトークパートでは、今回日本に滞在した3日間の過ごし方や、披露した2曲の背景などが語られると共に、サムのプライベートの部分、アーティストとしての核心に迫るような場面が見られた。
サム自身が「最もリスペクトしている、またはコラボしたいと思ってるアーティストは?」と尋ねられると、自分のインスピレーションにもなっているというエルトン・ジョンの名を挙げ、いつかコラボレーションできればと、素直な気持ちを述べる。
そしてトーク終盤では、サムのこれまでの来日公演すべてを観ているというYouTuberのHIKAKINがゲストとして登場。YouTuberという独自の立ち位置から彼なりの視点でサムに質問を投げかけていたのも、観ていてとても興味深かった。
当時バーの清掃員だった頃からグラミー賞を受賞するに至るまでを振り返り、アーティストとして「成功する秘訣」は何かを訊かれたサム・スミス。
少し戸惑いつつも「1つ言うなら、自分は真実を歌っている」と述べ、自身とこれまで関わってきた人に対して感謝を忘れずに、ミュージシャンである自分の真実を歌にしてきたからこそ成功したのではないかと語った。
実は、HIKAKINも元はスーパーマーケットの店員だった経歴がある。そんな経緯も含めてサム・スミスの歌声に惹かれる部分があるのだろう。質問の後半にその経歴をサムに話した際には、一気に2人の距離が縮まっていったのを見て取ることができた。
イベントの最後にはサム本人の口から「日本を含むアジア・ツアーについて、近日中に発表がある」との発言も。約45分ほどのイベントではあったが、次回の来日にも繋がるプレミアムな時間だったことは間違いない。
ちなみにイベント当日の朝に日本テレビ系「スッキリ」に生出演したサムは、この滞在期間で楽曲を制作したこと、新しい彼氏ができたことを明かしている。
そして今週末には第60回グラミー賞のステージにてパフォーマンスを行うサム・スミス。一体どんなステージを見せてくれるのかにも注目したい。
なお、今回のイベントの模様は後日J-WAVE「STEP ONE」番組内にて音源が放送予定。またUNIVERSAL MUSIC JAPANのYouTubeチャンネルでも同イベントの様子が掲載される予定だ。(小田淳治)
サム・スミスのプレミアム・イベントをレポート(HIKAKINも登場)! 「成功の秘訣」とは?
2018.01.24 19:45