sanetiiの新曲“アイスベースガール”に込められた、優しすぎる君に送るドライなようで温かなエール


どうして世の中ってこんなに理不尽なんだろうと心を痛めることがある人は、きっと優しい人なんだと思う。気がついているのに何もできないというのは確かにもどかしい。自分の無力感に失望するかもしれない。でも、自分の力で世界を変えることができないと知ることは、何も悪いことではない。

《君が気にしたって/変えられない/そんな物に もう用はない》とsanetiiは新曲“アイスベースガール”で歌う。自分に変えられないことがあると突きつけるのは一見冷たく感じられてしまうかもしれないけど、変わらない世界を嘆かないで、自分でコントロールできる自分の人生を大事にしてほしいというメッセージは、《君》自身を大切にしてほしいと願う何よりの優しさだ。

『ROCKIN'ON JAPAN』12月号で、私はsanetiiの音楽を「孤独を飼いならすための歌」と紹介した。自分の半径数メートル以内の世界を思いやることで自分の存在意義を感じられるのではないかということに、またしてもsanetiiに気づかされた。(有本早季)

【JAPAN最新号】sanetii、この時代に「孤独」を飼いならすための歌
時代に愛される音楽とは何か。それは流行りとも少し違っていて、狙い澄まして作られた楽曲が、意外と世間と合致しなかったり、複数の要素のバランスが少しでも崩れてしまうと一過性のバズで終わってしまう。と、こんな壮大なテーマを語ってしまったのは、sanetiiの“アメイジンググレイス”を聴いたとき、これ…
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