現在発売中のロッキング・オン12月号では、サム・スミスの来日ライブレポートを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。
文=杉浦美恵
サム・スミスはこのツアーで自身を極限まで解放してみせた。そのパフォーマンスは観客にも「愛」や「自由」とは何かを問いかけ、不毛な固定観念を捨て去ることの喜びを分け与えてくれるものだった。
前回の来日は2018年。傑作セカンドアルバム『スリル・オブ・イット・オール』を引っ提げてのツアーだった。その翌年にはサム・スミスは自らの性自認が「ノンバイナリー」であることを公表し、2020年には心の闇と向き合った『ラヴ・ゴーズ』を、今年1月には、まさに自身を解放する喜びを表現する最新作『グロリア』をリリース。
だからこそ、今回のツアーがそこに至った自身のアイデンティティを表現するものになることは予想はしていたものの、これほどまでに圧倒的かつあたたかな愛に溢れたライブパフォーマンスになるとは。これはおそらく後の音楽史にも刻まれるだろう。
ステージ中央には巨大な金色の裸体像が横たわっていて、聖とも俗ともつかないオーラを放ち、やがてゴールドを基調としたスーツにウエストを絞ったコルセットを合わせた、自身のクィアネスを象徴するようなスタイリングでサム・スミスが登場。そして1曲目に放たれたのはなんと“ステイ・ウィズ・ミー~”!
そのあとも“アイム・ノット・ジ・オンリー・ワン”や“トゥー・グッド・アット・グッバイズ~”など人気曲を惜しげもなく連発し、イントロが鳴った瞬間にあがる悲鳴のような大歓声やシンガロングの強さはもはやクライマックス級。しかしこの序盤もショーの序章にすぎなかった。(以下、本誌記事へ続く)
サム・スミスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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