アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソンが米ラジオ番組「Full Metal Jackie」に出演し、自身が喉頭ガンを患った経験について語っている。ガンが発見されたのは2014年で、舌の裏に悪性腫瘍が見つかり治療を行っていることを2015年にバンドのFacebookで発表していた。その後腫瘍を摘出し、現在では完治しているという。
番組の中でブルースは「死の必然性に直面した」と話し、そこから命の大切さに気付かされたのだと以下のように語っている。
面白いのは、「死の必然性への直面」ってのを体験したこと。ガンの経験には、自分の人生の方向性にそれなりの影響を与えられたからね。
死ぬことに対する恐怖ってのは、ものすごくシンプルな感情だしね。誰でもいつかはその感情を抱くことになるわけだし。
誰でもガンと診断されたら、「ああ神様、俺は死ぬんだ」ってなるよね。でもちょっと時間を遡ってみて「体調が悪いかな?」って自問してみると、その答えは「そんなことない。今は大丈夫」なんだ。そして、(ガンと診断されても)明日すぐに死ぬわけじゃない。来週でもない。
じゃあ、なにが変わったかって? 大きな変化はない。ただ、病気を患って、それを乗り越えようと努力しないといけなくなっただけ。
それに気づいた時、俺は「死ぬ」ことじゃなくて「生きる」ことが問題なんだって思うように意識を変えたんだ(笑)
そしたら「生きる」ことが今までより大事なことに思えてきたんだよね。それって素晴らしいことじゃないか?
ガンを乗り越えたブルースは今年の10月、自伝『What Does This Button Do?』を出版。「物事を細かいところまで鮮やかな映像として」覚えているというブルースは、自身のノートに800ページにも及ぶ記憶を書き付けているのだという。
そうした膨大な記憶を編集し出版された自伝は「New York Times」のハードカバー・ノンフィクション部門のベストセラー・ランキングで10位を獲得するなど、好調な売上を記録しているようだ。
なお、「Full Metal Jackie」のブルースの出演回は番組の公式サイトから視聴可能となっている。