ケイティ・ペリー節全開の“Bon Appétit”、その際どい歌詞とミュージック・ビデオを解説

ケイティ・ペリー節全開の“Bon Appétit”、その際どい歌詞とミュージック・ビデオを解説

今月リリースされた新作『ウィットネス』がアメリカでアルバム・チャート初登場1位となり、『ティーンエイジ・ドリーム』『プリズム』と続いて3連続アルバム初登場1位を記録したケイティ・ペリー

特にミュージック・ビデオの人気が高いことでも知られており、新作からは“チェーン・トゥ・ザ・リズム~これがわたしイズム~”、“Bon Appétit”の2本がビデオとして公開、特に“Bon Appétit”はケイティの“Roar”の記録を越えて公開24時間で1400万回再生され、自身最高の記録となった。
また、同楽曲の公開24時間の再生回数はアデルの“Hello”に次ぐ記録を誇っている。


“チェーン・トゥ・ザ・リズム~これがわたしイズム~”がケイティならではの政治性を究極のポップ作品として打ち出していくものだったとするなら、“Bon Appétit”は恋愛とセックスを縦横無尽に歌い上げながら、際どい内容の歌をどこまでもポップなダンス・チューンに仕上げるという、ケイティが最も強みとする楽曲だ。

楽曲は、恋人との間での食欲とグルメというテーマとして描かれているが、実際には自分というご馳走を恋人にどのような形で堪能させるかというかなり具体的かつ官能的な内容になっている。
しかし、それでいて、ある一線は絶対に踏み外さない完璧なダンス・ポップ曲となっていて、自分のエロティックな願望を一瞬ずつだけ激しいビートの合間に垣間見せていくというケイティの至芸の技だといってもいい。

その一方で、この曲のビデオはケイティ自身がひとつの食材として扱われており、そのホラー的設定を最後まで引っ張っていく力業をみせた内容だ。
終盤までは食材としてのケイティがひたすら小麦粉を揉み込まれたり、ブイヨンの中で香味野菜とともに煮込まれたりして、得体の知れない地下倶楽部で供されることになってしまうが、密かに機を窺っていたケイティはこの倶楽部のメンバーを逆に縛り上げてその後、煮込みにしてしまう。

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実は曲の歌詞の内容がかなり際どいため、その映像化はまず不可能ということからの翻案だと思うが、調理の途中で、ケイティが現在の超ショートヘアにされてしまうのも印象的だ。なお、調理を担当するのはロサンゼルスのセレブ調理人であるロイ・チョイとなっている。

楽曲にもビデオにも客演でミーゴスのテイクオフ、オフセット、クエヴォの3人が登場するが、ケイティの歌詞がどこまでも際どくも微妙にぼかしたメタファーに徹しているのに対して、ミーゴスの3人の返しのラップはどこまでもそのものずばりなのがとても楽しい。

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(高見展)

“チェーン・トゥ・ザ・リズム~これがわたしイズム~”MVの解説記事はこちら。
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