【完全レポ】2017年No.1ルーキー・おいしくるメロンパン、限定ライブに潜入。その実力を確認し震えた
2017.02.01 12:15
おいしくるメロンパンが、2017年1月27日に渋谷CLUB CRAWLで「おいしくるメロンパン『thirsty』CD購入者限定リリースライブ」を開催した。RO69ではこの模様をロングレポートでお届けする。
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●セットリスト
1. シュガーサーフ
2. 新曲
3. 5月の呪い
4. 夕立と魚
5. あの秋とスクールデイズ
6. 砂と少女
7. 紫陽花
8. 色水
EN. 蜂蜜(新曲)
昨年12月に初の全国流通盤『thirsty』をリリースしたおいしくるメロンパンが、彼らのホームともいえるライブハウス・渋谷CLUB CRAWLにて、購入者特典のフリーライブを開催した。昨年夏にアマチュアアーティストのコンテストRO69JACKで優勝したあとは、ROCK IN JAPAN 2016やCOUNTDOWN JAPAN 16/17に出場。勢いに乗っている彼らだが、本ライブは予想を遥かに上回る数の応募が殺到したとのことで、急遽2回まわしでの開催に。以下のテキストでは、19:00スタート回の模様をレポートしていきたい。
ナカシマ(Vo・G)、峯岸翔雪(B)、原駿太郎(Dr)が登場し、「せーの、おいしくるメロンパンです!」と声を合わせてからライブがスタート。約1時間に及んだこの日は実質、彼らにとって初のワンマンライブ。嬉しさが隠しきれず満面の笑みの原が力強い8ビートを刻むと、まず3人は“シュガーサーフ”を鳴らし始めた。歪だけど爽快、というこのバンドならではのバランス感が肝であるこの曲。彼らのアンサンブルは一筋縄ではいかず、それがかえってクセになって堪らないのだが、例えば平熱のテンションで歌い続けているナカシマがふと声を張ったときに狂気が滲む感じとか、バラバラに動いていた3人の旋律がキメのタイミングでピッタリ重なる瞬間とか、生で体感するとグサッとくるポイントがかなり多い。コードの響きが絶妙だった新曲のあと、演奏時からフロアの様子をよく見ていた峯岸が「……すごっ! だってこんなに(CDを)買ってくれてるってことでしょ?」と改めてオーディエンスへ感謝と喜びを伝えた。
歌うようなベース、休符すらもリズミカルに聴かせるドラム、鋭利なサウンドで聴き手を昂揚させるギター――と三者三様の色を見せたソロ回しがまるでメンバー紹介のようだった“5月の呪い”。一丸となって音の濁流を生み出していくバンドの気迫に圧倒された“あの秋とスクールデイズ”。短いMCを挟みながらではあるものの、基本的に次々と曲を演奏していくスタイルだ。そんな中、「ライブではあまりやってこなかったけど今日のためにバンドでガッシリ固めてきました」と前置きしながらも、変拍子の難解な展開を乗りこなしてみせた“砂と少女”、そして“紫陽花”の2連投を終えたあとにはフロアから一際大きな歓声が。ハイライトともいうべき場面の最中、峯岸は「カッコいいね! いい曲書くんすよ、ホントに!」と興奮気味に仲間のことを称賛していた。
2016年を「怒涛の1年」と表現した彼らは、ここで「今年のその勢いを殺さずガンガン駆け抜けていきたい」(峯岸)と宣言。そして早速、4月から初の自主企画全国ツアー「thirsty リリースツアー ~水をおくれよ~」を開催することを発表した(詳細はこちら→http://ro69.jp/news/detail/155363)。その前のめりな気持ちを落とし込むかのように『thirsty』のリード曲“色水”を演奏して本編終了。さらにオーディエンスからの声に応えてのアンコールでは、ナカシマが元々弾き語りでやっていた曲だという“蜂蜜”(新曲)を披露。久々の演奏ということもあって歌詞を飛ばして最初からやり直すハプニングもあったが、これまでにないタイプの温度感の曲だったため、今後バンドで演奏していくなかでどう進化していくのかが楽しみだ。
この数時間後に行われた21:00スタート回も大きな盛り上がりの中終了したと聞いたが、ライブ中発表されたように、この春はいよいよ『thirsty』を引っさげ全国のライブハウスへ向かう。ここから始まる2017年が、彼らにとって飛躍の年になることを期待したい。(蜂須賀ちなみ)