sci-fiが景気づけの大バコ・イベント「SCIENCE ACTION」を開催。ゲスト・アクトに招かれたのはLOSTAGEに99RadioServiceと、ロック好きにはたまんない好カード! EAST場内は早くから上気した空気に包まれている。
先鋒を担ったのは、99RadioService。「こんばんは! 今日は楽しんでいきましょう!」とKo-hey(Vo&G)が呼びかけて、代表曲“follow her dog”でライヴをキックオフ。雲ひとつない青空のようなギター・サウンドと、Travisのフラン・ヒーリーにも似たKo-heyのハイトーン・ボイスが場内の爽快値を一気に高め、新人らしからぬ抜きん出たバンド力を見せつける。鳴らしたい音と、「こうありたい」というバンド像がクリアな連中なのだ。3曲目の“sing out loud”ではフロアからハンド・クラップも湧き上がり、99の飛び道具的キーボディスト・GOIがステージ前でタンバリンをシェイク! EASTをこの上なく陽気なパーティ・タイムへと導いた。「あの、実は今日、虫歯が大変なことになってまして。朝からメスを入れてまいりました」とKo-heyの実兄・Ko-ta(G&Vo)がMC(どうかお大事に……苦笑)、「10月29日には自分たちのイベント(@新宿ANTIKNOCK)がありますんで」と告知して、終盤も“friendship & affection”など、すこぶるスケールのデカいロックを掻き鳴らして5人はステージを後にした。
続いて、LOSTAGEの3人が登場。最新作同様“ひとり”から幕を開けた刹那、場内の空気がガラッと一変。一聴してLOSTAGEのそれとわかるような、一種異様な狂気と冷気を帯びた磁場が広がる。続く“断層”では、真紅のライトを浴びて≪断層! あいつを殺すために!!≫と鮮烈なスリルを撒き散らし、容赦ない爆音で畳み掛ける(情念を爆発させるような岩城のドラミングがとにかく強烈!)。「LOSTAGEと言います。奈良から来ました」と五味岳久(Vo&B)。続けて「直前にラーメン食べたんやけど、混んでてギリギリで戻ってきて、SE鳴ってステージ出たらちょっとラーメン出ました」と笑ってステージ後方を指させば、そこには本当に一筋の麺が!(2cmくらいの、短~いのが・笑)。お客さんを笑わせつつ、「最近新しい曲を作ったんですけど、それやってみます」(岳久)と、できたてのブランニュー・ソングをライヴ初披露!(BPM高めの、疾走感と破壊力バツグンのロック・チューン!)。10月31日に主催する、関西ロック・シーンの活性化を主眼としたライブ・イベント「生活」も要チェック!
ステージには2台のキーボードと、数え切れないほどのエフェクターがセットされる。そう、いよいよavengers in sci-fiの出番だ。喝采を浴びて3人がオン・ステージ、そして、いきなりアヴェンズ切ってのキラー・チューン“Nayutanized”、放射! 勢い沸騰するフロアを「EAST!!」と稲見(B&Vo)が焚きつけ、続く“Universe Universe”でロック大気圏を一点突破! 明滅するフラッシュ・ライトと相まって、場内には沸き立つような熱気が立ち現れた。ダンサブルな“Hyper Space Music”がフロアの狂騒をさらに高めて、EASTの熱は早くも沸点に――。いきなりエンジン全開のアヴェンズ号である。
「ありがとうございます! 長い間レコーディングしてたんで、まだ人に慣れなくて(笑)……最高です!」と、ひと息ついて木幡(Vo&G)がMC。代わって「『SCIENCE ACTION』へようこそ! 」と稲見がお客さんを歓迎、「9月8日にシングル出たんスよね。DVDも付いて。先生(ドラムス・長谷川の愛称)カッコよかったよね?」と続け、その最新作のタイトル・トラック“Delight Slight Lightspeed”へ。シンフォニックなスケール感と、彼らの内在的な衝動性が最良のバランスでミックスされた、“アヴェンズの新たなアンセム”と言える強力チューンがEASTを沸きに沸かせ、“Ibisa Sunset”、“Minneapolis”と矢継ぎ早に畳み掛けるアヴェンズ。「楽しいっスか?」と稲見が問えば、フロアからは盛大な「楽し~い!!」の声が沸き上がり、一体感はもう最高潮!
終盤には、ニュー・アルバムについても言及――「『dynamo』ってタイトルなんスけど、完全にイイ感じのアルバムなんで。俺らもチョ~自信あるんで」と稲見。そして、アルバム収録の“Wonderpower”なるニュー・ソングをライブ初披露! バウンシーなグルーブがさっそくオーディエンスを揺らしまくり、続く“Beats For Jealous Pluto”の躁的ビートが狂騒的なダンス・タイムを演出(木幡のキテレツ・ブレイク・ダンスも炸裂!)、トドメの“Homosapiens Experience(Save Our Rock Episode.1)”でフロア中を盛大にサイ・ファイさせ、「Save Our Rock!」コールに応えてアンコールでは懐かしの「HAL THE SHOEGAZER」も披露。全15曲の熱演でライブは幕を閉じたのだった。来年2月の新木場STUDIO COASTワンマンが、今から楽しみ!(奥村明裕)