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我が5歳娘と年金世代な母の共通言語になるレベルの社会現象“Bling-Bang-Bang-Born”を筆頭に、ドラマ『不適切にもほどがある!』主題歌“二度寝”、TVアニメ『ダンダダン』OPテーマ“オトノケ”と、キャッチーで強靭なポピュラリティを備えたシングルを連発し、年末には紅白まで出場――という経緯からすれば、今一度己のなんたるかを刻む“中学22年生”から始まる本作の印象は想像より鋭角なものだ。“はらぺこあおむし”で覗かせる父親としての顔や、どこか懐かしいメロウなダンスナンバー“Get Higher”あたりをアクセントにしつつ、ひとりの人間としての内省から周囲や社会への視線まで、HIP HOPのイズムと飽くなき音へのこだわりが満載の、ハードで濃密なドキュメンタリーと呼ぶべき一枚は告げる。今や紛れもなくポップシーンの顔となったふたりだが、あくまでオルタナに立脚したままメインストリームのほうへ伸ばした触手がとんでもなく突き抜けてるだけなんだ、彼らが人生を懸けるステージはここにあるんだということを。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋)
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