め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート!

め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - All photo by 郡元菜摘All photo by 郡元菜摘

「お前らにめちゃくちゃ、音楽浴びせに来たよ! もー許さない! もー許さない!」と、昂るままにフロアに向けて思いを投げかける菅原達也(Vo・G)。2025年夏のバンド結成10周年に向けたライブツアー「ME-GUMI LIVE TOUR 2025 MK5-マジで駆け抜ける5人組-」は、1月25日の大阪・HOLY MOUNTAIN、2月8日の愛知・名古屋ハートランドを経て、ファイナルの舞台となる東京・渋谷 Spotify O-nestを迎えた。その模様をレポートしたい。

め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート!

菅原、富山京樹(G)、久佐賀麗(Key)、寺澤俊哉(B)、サポートメンバーに茄子川(Dr)という編成で繰り広げられてきた2025年初頭のツアーだが、集まったオーディエンスの大歓声を浴びて走り出した5人は、序盤から“マイ・パルプフィクション”、“咲きたい”、“お化けだぞっておどかして”という、新旧のアップリフティングな楽曲群を畳み掛けてゆく。鋭角なロックでありながら、め組らしい華やいだサウンドと奇想天外なユニークさも見せつけてゆく贅沢な立ち上がりだ。控えめな人柄とは裏腹なほど熱く雄弁なソロを弾き倒すギターヒーロー・富山に、菅原が「巧いな! 俺に教えてくれ!」と口を挟んだりもする。

め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - 菅原 達也(Vo・G)菅原 達也(Vo・G)

「皆さん、僕たちと一緒に駆け抜ける準備できてますかー!?」「はーい!!(一斉挙手)」という良好なヴァイブを育んでゆくフロア。2024年は傑作ミニアルバム『七変化』を経てからの3ヶ月連続デジタルシングルリリースと、即戦力レパートリーを増やしてきた。リコーダーのトボけた旋律が並走する目下の最新曲“いちぬけぴ”では、思い悩む心情をコミカルな曲調で解放してくれる。そして菅原はアコギにスイッチ、メロウな鍵盤フレーズやファンキーなワウギターで情緒ごとグルーヴさせる“ホワイトタイガー”や『七変化』随一のエモーショナルな名曲“ストレージ”と、キャリアを広く見渡した選曲で豊穣なライブの時間を膨らませていった。“ぼくらの匙加減”、“春風5センチメンタル”、そしてファンと共に潜り抜けてきたコロナ禍を思い出させる“YOLO”も、リスナーがそれぞれに思い入れを寄せる名曲たちだろう。

さて、メンバー個々の挨拶では、ツアータイトルの「MK5」にちなんだ3文字のあいうえお作文が恒例になっているらしい。いっぱい寝てライブ当日を迎えた富山は「GIY(元気いっぱいイェイ!)」ということで集合時間に遅刻した大物ぶりを暴露され、久佐賀は「JS3(女子ステージ上に3人出てくるのやばくない!?)」とスペシャルなステージを喜ぶ。寺澤は3日前に訪れたというディスニーランドの楽しさを引き合いに「KKD(今日は超えますディズニーランド)」と意気込みを語り、茄子川は「MK5(マジで今日5回目=昨年末のCOUNTDOWN JAPAN 24/25出演から数えて今回が5回目のめ組とのステージ)」という意表をついた技ありMCで沸かせてくれた。

  • め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - 久佐賀 麗(Key)

    久佐賀 麗(Key)

  • め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - 富山 京樹(G)

    富山 京樹(G)

  • め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - 寺澤 俊哉(B)

    寺澤 俊哉(B)

  • め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - 久佐賀 麗(Key)
  • め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - 富山 京樹(G)
  • め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート! - 寺澤 俊哉(B)

そして菅原は「SSS=SS級にすげえ渋谷、こんばんは渋谷陽一です」と告げながら、紆余曲折ありまくりの10年をサポートしてくれたファンにあらためて感謝の思いを伝えつつ、いつの日かのCD10万枚セールス、そして「め組って伸びしろはあるんだけどねえって、さんざん言われてるんですよ。もームカついた!! 口に出したら何とかなると思うので、武道館でいつか、ワンマンライブやりますから!!」と目標を明言し、大喝采を浴びるのだった。

め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート!

ここでステージに呼び込まれるのは、久佐賀が言うところの3人目の女子、寺澤が言うところの本日のシンデレラ、スペシャルゲストとして出演が予告されていた想﨑みや(アイドルは下剋上)である。彼女が出演した“はっとすりゃ喜劇”のMV再現さながら、煌めくミラーボールの下でディスコポップのダンスパフォーマンスが繰り広げられる。久佐賀と1本マイクに寄り添う形でコーラス参加する大サービスぶりで、ステージに華を添えてくれた。

さらに勢いづいたライブは“ななこおねいさん”のシンガロングを経て、重厚なピアノリフから切り出される人力フューチャーハウス“夢オチリズム”へ。悪魔のタンバリンを振るう狂騒の一撃“悪魔の証明”では、合言葉の《ちゅるりらら》を大阪では《ちゅるりやねん!》に、名古屋では《ちゅるりだぎゃ!》に差し替えたということで、この東京公演では《ちゅるりだべ!》コールを要求しながら盛り上がる。辿り着いた本編ラストを飾るのは、め組きってのエモーショナルな高速チューン“タソガレモード”である。《君の心臓のリズムでバンドしてるよ/ちょくちょくズレたりしながら時をかける》。順風満帆な日々ではないからこその、ヒリヒリとした特別なロマンチシズム。これを描き出せるのが、10年の道のりを歩んできため組だ。

め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート!

アンコールの催促代わりに「合言葉は!」「ちゅるりらら!」のコールが巻き起こり、富山による新作グッズ紹介を経ると、“さたやみ”から演奏再開して再び想﨑みや(新作グッズのフーディー姿)を迎える“お茶の子再々!”へ。富山と寺澤が演奏しながらわちゃわちゃと揉み合うお約束のくだりで、想﨑みやが仲裁役を買って出るのもおもしろかった。進化するのがそこ? 彼女のジャンプ一発を合図に、見事演奏をフィニッシュである。

め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート!

すでにニュースにもなっているように、ここで結成10周年の本番に合わせたベストアルバムのリリースと、今夏の新たなライブツアー開催も告知された。ベストアルバムにはファン投票の人気TOP10楽曲が収録されるという。ぜひ、め組のオフィシャルSNSアカウントから投票フォームをチェックして欲しい(投票受付は3/17(月)22:00まで)。

「一緒に行こうね、約束だよ!」という思いと共に放たれた“500マイルメートル”を、場内一丸の10周年に向けた10回ジャンプで締めくくり、今回のライブは熱気冷めやらぬままフィナーレを迎えた。一度胸に突き刺さったら抜けない名曲の数々を生み出してきため組にとっては、今回の非常に練り込まれたセットリストもその片鱗にしか過ぎないだろう。ファン投票が反映されたベストアルバムがどのような内容になるか、今から楽しみだ。(小池宏和)

め組。いざ10周年、今だからこそ掲げる夢の舞台を目指して。約束の最新ライブツアー、ファイナル公演をレポート!


●セットリスト
め組「ME-GUMI LIVE TOUR 2025 MK5-マジで駆け抜ける5人組-」
2025.2.15 渋谷・O-nest

01. マイ・パルプフィクション
02. 咲きたい
03. お化けだぞっておどかして
04. いちぬけぴ
05. ホワイトタイガー
06. ストレージ
07. ぼくらの匙加減
08. 春風5センチメンタル
09. YOLO
10. はっとすりゃ喜劇
11. ななこおねいさん
12. 夢オチリズム
13. 悪魔の証明
14. タソガレモード

Encore
15.  さたやみ
16. お茶の子再々!
17. 500マイルメートル

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