とうとう発表されたアカデミー賞。なんとミック・ジャガーが登場。ボブ・ディランの代わりに?!

とうとう発表されたアカデミー賞。なんとミック・ジャガーが登場。ボブ・ディランの代わりに?! - Photo by James Mangold, Courtesy of Searchlight Pictures. © 2024 Searchlight Pictures All Rights Reserved.Photo by James Mangold, Courtesy of Searchlight Pictures. © 2024 Searchlight Pictures All Rights Reserved.

待ちに待ったアカデミー賞が発表された。果たして、ボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメは取ったのか? 作品賞は?

結果はこちら。ほぼ事前の予想通りだったけど、ひとつ主演女優賞が、デミ・ムーアではなくて、マイキー・マディソンが取ったのは驚きだった。
https://www.npr.org/2025/03/02/nx-s1-5307165/oscars-2025-complete-winners-list

それで受賞式で驚いたのは、なんとミック・ジャガーがオリジナルソングのプレゼンターで出演したこと! ミック・ジャガーがオスカーのステージに立つのはこれが初めてだそう。全く信じられない。映画に出演もしているし、プロデューサーなども務めているのに。



誰も知らなかったので、もしかしたらこの日一番の盛り上がりというくらいだったと思う。そこで、笑ったのがこう言っていたこと。

「最優秀オリジナルソングの授与に招待されて本当に光栄なんだ。とても嬉しいんだけど、でも、実は最初から俺に頼まれたわけではなかったんだ。プロデューサーは本当はボブ・ディランにやってもらいたかったんだ。でもボブ・ディランがやりたくないと言った。というのも、今年の映画の中で最高の曲が使われているのはもちろん『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』だからね。それでボブが『もっと若い人にお願いすればいいよ』と言ったものだから、俺が、『いいよ。俺は若いから。俺はボブより若いから。だからやるよ!』って言ったんだ。それで今ここにいるというわけだ」


とジョークで言ったのだ(笑)。ボブ・ディランは現在83歳、ミック・ジャガーは81歳だ。

ミック・ジャガーは、オスカー前のディナーに出席していたのでなんでだろう? と思ったのだけど、まさか受賞式に登場するとは。


ミック・ジャガーもお礼のコメントを発表している。


「アカデミー賞とヴァニティ・フェア・オスカー・パーティへ最高の夜をありがとう。オスカーで最優秀オリジナルソングのプレゼンターになれて光栄だった。受賞者の皆さんおめでとうございます!」

ちなみに、ミックは、ボブ・ディランが断った話をジョークのように語っていたけど、ハリウッド・レポーターによると本当にプロデューサーはボブ・ディランにプレゼンターとパフォーマンスの両方をお願いしたのだそう。しかし断ったということだろう。


司会のコナン・オブライエンも、モノローグで、「ボブ・ディランは今日ここに来たかったようなのですが、そこまで本気でもなかったようです」と言っていた。

ただ、アカデミー賞を放送したABCの親会社であるディズニーの役員が今回の番組について翌日に質問に答えていた。それによると、
「あれはミック・ジャガーのジョークだよ。ザ・ローリング・ストーンズのライブに行ったことがある人なら分かると思うけど、ミック・ジャガーは素晴らしいユーモアのセンスがあるからね。オリジナルソングのプレゼンターは最初からミック・ジャガーにお願いするつもりだったんだ。『ミック・ジャガーにお願いするだけお願いしてみよう。絶対やるとは言ってくれるわけないけど』というものだったんだ。でも、やると言ってくれたんだ! 彼がオスカーに出るのはあれが初めてなんだ。信じられないことにね」


つまり、オリジナルソングのプレゼンターとしてはボブ・ディランにお願いしていないということか? ハリウッド・レポーターが書いているように、ボブ・ディランには違う場面でのパフォーマンスをお願いしていたかもしれない?! ボブ・ディランのことなので結局謎のままだけど。

今年は言われていた通り、オリジナルソングのパフォーマンスはなくて、代わりに、LAに敬意を表する映像の始まりから、『ウィキッド ふたりの魔女』のアリアナ・グランデとシンシア・エリヴォが幕開けにパフォーマンスをした。“Somewhere Over The Rainbow”(『オズの魔法使い』)から、“Home” (『ウィズ』)、そして“Defying Gravity”(『ウィキッド ふたりの魔女』)の歴代の曲をメドレーにした美しい始まりだった。翌日も一番の話題となっていた。



その他音楽関連では、

1)ハリウッドに敬意を表する場面で、ドージャ・キャット(“Diamonds Are Forever”)と、BLACKPINKのリサ(“Live and Let Die”)、REYE(“Skyfall”)が、ジェームズ・ボンドの曲を歌った。なぜジェームズ・ボンドだったのかいまいち意味が分からず賛否両論だった。




2)クインシー・ジョーンズの追悼をクイーン・ラティファが行った。パフォーマンスしたのは、ジョーンズがプロデュースしマイケル・ジャクソンとダイアナ・ロスが主演した『ウィズ』の曲でチャーリー・スモールズによる“Ease on Down the Road"


彼女を紹介したのが、クインシー・ジョーンズが音楽を担当した『カラーパープル』(1985年)のウーピー・ゴールドバーグとオプラ・ウィンフリーという特別な2人となった。


3)司会のコナン・オブライエンが、ケンドリック・ラマーとドレイクのジョークを言っていた。
「ここで賞が半分まで来たので、ケンドリック・ラマーにドレイクのことをペドフィリア(未成年好き)と呼んでもらいましょう。心配しないでください。弁護士はしっかりと用意していますので」。もちろんスーパーボウルのハーフタイムショーで“Not Like Us”をパフォーマンスするのかしないのか? するとしても、ドレイクが訴えている「ペドフィリア」の歌詞はラップするのかどうか、でもめたことを言っている。ハーフタイムショーでは、NFLがドレイクに訴えられる可能性を考えて、「ペドフィリア」とはラップしなかった。まさか突然ドレイクのジョークが出てくるとは思わなかったのでびっくりしたけど、会場ではうけていたそう。


4)チャペル・ローンがエルトン・ジョンのアフターパーティでパフォーマンス

また一夜明けて超話題となっているのは、チャペル・ローンが、毎年恒例のエルトン・ジョンのAIDS基金のためのアフターパーティでパフォーマンスしたこと。

“Femininomenon”で幕開け。

“Pink Pony Club"

“HOT TO GO!”

エルトン・ジョンの“Your Song”

さらにデュエットで“Don’t Let the Sun Go Down on Me”

“Super Graphic Ultra Modern Girl”

5)マドンナも毎年恒例のアーティストのJRとのパーティを開催。JRが撮影した写真を公開している。


6)番外編:圧勝だった『ANORA アノーラ』でロシア人富豪の御曹司を演じるロシア人俳優マーク・エイデルシュテインが、アフターパーティでt.A.T.u.で踊りまくっていた。

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