ストレイテナー@Billboard Live Tokyo

ストレイテナー@Billboard Live Tokyo - all pics by 橋本塁(SOUND SHOOTER)all pics by 橋本塁(SOUND SHOOTER)
アコースティックアルバム『SOFT』(2012年6月)のリリースツアーから早3年半、最新シングル『DAY TO DAY』のリリースツアー「FREE ROAD TOUR」を終えたばかりのストレイテナーがこの日、東京・六本木のBillboard Live Tokyoにて昼夜2公演にわたり開催したのが、「ONE-MAN LIVE SPECIAL TALK & ACOUSTIC LIVE 'STRAIGHDINNER'」。『SOFT』のツアーファイナル:渋谷公会堂公演のMCでホリエアツシ(Vo・G・Piano)自身も「年イチくらいでやりたいよね」と言っていたくらいの素晴らしい内容だっただけに、それぞれに着飾ってディナースタイルの特別なライヴ空間に集まったオーディエンスの期待感も、開演前から十二分に高まりを見せていた。が、この日の4人が聴かせたアンサンブルは、3年半前よりも格段に豊潤で開放的なヴァイブをもって胸に響いてきた。

ストレイテナー@Billboard Live Tokyo
開演時間の19:30、場所柄ハットやベレー帽、ジャケットなどでシックに決めた佇まいの4人が客席後方から登場。「どうもみなさん、こんばんは。ストレイテナー・アコースティック、『STRAIGHDINNER』へようこそ!」「お酒のほうもね、じゃんじゃん頼んで」と着席スタイルの観客に呼びかけるホリエに続けて、「飲みたくしてやるから。『飲まなきゃやってらんねえ!』みたいな(笑)」と心地好く煽るナカヤマシンペイ(Dr)。バンドは現在、新曲のプリプロの最中とのことで、「新しい曲を何曲も作ったんですけど――からの、アコースティック・アレンジのリハーサルだったので。新しい曲みたいな感じになっちゃってる曲もあったりして……自分たちの首締めてます(笑)」とリラックスした調子で語るホリエに、会場に笑いが広がる。プレイが始まる前から、この場の高揚感を舞台と客席がゆったりと共有していく――という展開も、このオトナなライヴ空間ならではの醍醐味だろう。

ストレイテナー@Billboard Live Tokyo
何より、素晴らしかったのはその演奏そのものだった。“TOWER”“Phantasien”など前回のアコースティックツアーでも披露していた楽曲はさらに包容力と静かな力強さを帯びていたのはもちろんのこと、ホリエ&大山純(G)のWアコギが伸びやかな音のタペストリーを繰り広げた最新アルバム『Behind The Scene』の“彩雲”、濃密なセンチメントとロマンを漂わせていた“FREE ROAD”(『DAY TO DAY』カップリング曲)の珠玉のアコースティックバラード感など、新たにアコースティックアレンジを施された最新楽曲群が、ひときわ美しい音像を描き出していたのが特に印象的だった。

ストレイテナー@Billboard Live Tokyo
“Starless Coaster”“シンクロ”といった楽曲に、ピアノのみならずメロトロン風のフルート/ストリングスサウンドも駆使して彩りを与えるホリエ。曲によってアコースティックベース/アップライトベース/プレシジョンベースを使い分けながら、柔らかな音世界にドライヴ感を与えていく日向秀和(B)のベースライン。目映いアルペジオからブルージーなソロまで幅広いプレイを聴かせる大山純のアコギさばき。そして、エレクトリックスタイルでのダイナミックなプレイとは一転、抑えたストロークの響きのひとつひとつでヴィヴィッドなサウンドスケープを生み出していくナカヤマのドラミング……“ネクサス”の決然としたアコースティックブルース感も、舞台背後に開けた六本木の夜景をバックに高らかに広がった“DAY TO DAY”の清冽なメロディも、すべてがストレイテナーの「今」の充実感を物語るものだった。

ストレイテナー@Billboard Live Tokyo
「みなさん何飲んでらっしゃるんですか? オシャレ系のドリンクですか?」(日向)、「今日初めて会う方が真正面にいらっしゃるでしょうけど、その方たちと……乾杯!」(ナカヤマ)といったメンバーの言葉が、物理的な距離の近さもあいまって、「MC」よりも遥かにリアルな「語り」として伝わってくるのも面白い。「大山の純ちゃん、まだ何もしゃべってないじゃん?」と日向が大山に話を振れば、「言っとくけど、君らがしゃべりすぎなんだよ。隙間なんか一個もないんだよ!(笑)」と大山がボヤく、といったくだけまくった場面も、この特別なライヴの最高のスパイスになっていく。

ストレイテナー@Billboard Live Tokyo
“Farewell Dear Deadman”の晴れやかな歌とサウンドスケープで満場のクラップを巻き起こして、本編を締め括った4人。アンコールで再登場した後、「ホリエくん、あそこに住んでるんでね」と六本木ヒルズを指すナカヤマに続けて「しかも最上階ね」(日向)、「やっべ、電気つけっぱだ!」(ホリエ)、「……ライブドアのほうのホリエだった!(笑)」(ナカヤマ)と次々にMCをかぶせて客席を沸かせていく。

ホリエ「明日からまた、新曲作りに励んで、いい作品をみなさんに届けたいと思います。今年は怒濤な感じなので――俺たち結構加速してんだよ、去年あたりから」
ナカヤマ「えっ」
ホリエ「去年シングル3枚も出してるしさ」
ナカヤマ「えっ(強め)」
ホリエ「もうちょっとゆっくり活動したいところなんだけど……アラフォーだし、ねえ?」
日向「アラフォー言うな(笑)」

ストレイテナー@Billboard Live Tokyo
そんなトークの後、「渾身の1曲でお別れしたいと思います」というホリエの言葉とともに放たれた最後の曲は“Lightning”だった。ホリエのピアノのコードと大山のアルペジオが絡み合い、日向のプレベとナカヤマのリズムがタイトに空気を震わせ、凛とした風景を編み上げて――終了。4人で肩を組んで深々と一礼する姿に、熱い拍手喝采が降り注いだ。昼の部では別セットでのアクトを展開していたというテナー。ライヴ中のMCでホリエいわく「本当はね、日頃の感謝を込めたイベント的な感じだったんですけど、映像とかも入れちゃって……結果、自分たちの首を締めてます(笑)」とのことだったので、この貴重なライヴの模様は後日どこかで目にすることができるかもしれない。(高橋智樹)

●セットリスト

01.彩雲
02.TOWER
03.FREE ROAD
04.Phantasien
05.Starless Coaster
06.シンクロ
07.Toneless Twilight
08.ネクサス
09.DAY TO DAY
10.Farewell Dear Deadman
(encore)
11.Lightning
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