FTISLAND@代々木第一体育館

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「僕たちの作品を愛してくれてありがとうございます。幸せです!」という、イ・ホンギ(Vo)の感謝の言葉に会場中が温かい拍手で包まれたFTISLANDの日本ツアー初日、代々木第一体育館。それは日本でのメジャーデビュー5周年、バンド結成からは11年を迎えるFTISLANDメンバー5人の強い結束力を感じるライヴだった。

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無数のレーザーが広い代々木第一体育館の客席頭上を縦横無尽の駆け抜け、チェ・ミンファン(Dr)を筆頭にメンバーが登場すると、会場は大きな歓声で迎え入れた。韓国の最新アルバム『I WILL』に収録されているへヴィなロックナンバー“PRAY”では、ホンギは大きく足を開いて渾身のボーカルを聴かせる。フロントに立つチェ・ジョンフン(G・Key)、イ・ジェジン(B)、ソン・スンヒョン(G)はリズムに合わせて頭を激しく振りながらプレイ。そして、最新アルバム『5.....GO』からの“Tornade”と、幕開けから怒涛のロックチューンを展開する5人はすでにトップギアだった。

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「お久しぶりです。元気? 今日は何も考えずに走っていくぜ!」と、意気込みを語ったホンギ。続く“FREEDOM”では、ミンファンがメインのドラムセットからサブのドラムセットへと移動した。それまでのダイナミックで重々しいドラムから、疾走感のある軽やかなドラムへとギアをチェンジ。オリジナルとは異なるEDM バージョンにリアレンジされたサウンドでフロアを踊らせていく。曲中には総立ちのお客さんを一度イスに座らせたあと全員が一斉に大ジャンプ。客席と一緒になって遊ぶ楽しい空間が作り上げられていった。

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「6月から7月はツユの時期……雨がたくさん降るんですよね? そういう曲をやろうと思ったけど、めちゃ晴れやん!」と、流暢な日本語で冗談っぽく言ったホンギ。この日の東京は30℃を超す真夏日だった。「この服ヤバいね。汗で身体にピッタリついてる。動きづらい」と言うと、すかさず会場からは「脱いでー!」の声。「ムリッ(笑)」ときっぱり断ったホンギは、「これが雨で濡れたと思って……」と、雨の歌コーナーへと繋いだ。お客さんを着席させて演奏を始めた雨のバラード“Raining”や“CRYING IN THE RAIN”では、ジョンフンのピアノを伴奏に、ホンギが切ないメロディを優しく歌い上げ、その声に会場はうっとりと酔いしれる。ハードロックを取り入れた荒々しいサウンドから、繊細に紡ぐラブソングまで、ガラリと表情を変えるFTISLANDのステージからは、アジアで絶大な人気を誇る彼らのライヴバンドとしての強い自負が滲み出ていた。

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ライヴは先日発売されたばかりの最新アルバム『5.....GO』の楽曲を中心にしながら、新旧ナンバーを織り交ぜた5周年らしいセットリストで構成されていた。なかでも圧巻はホンギが「友だちと一緒に作った曲です」と紹介した”Primavera”だった。ONE ONE ROCKのTakaとのコラボレーションにより誕生したドラマチックなロックバラード。この刺激的な制作を振り返り、ホンギは「もっと音楽をやりたいと思った」と想いを口にした。この曲ではジョンフンはアコースティックギターを掻き鳴らし、スンヒョンがエレキギターを爪弾き、5人の背中を強い光が照らし出した。そしてサビの《You are my love/You are my sunshine》というフレーズを会場は大合唱。ステージ上からその光景を見守るメンバーの穏やかな表情が印象的だった。

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この後、FTISLANDは大阪城ホール、日本ガイシホール、横浜アリーナへと日本全国のアリーナ会場を駆け抜ける。ライヴの終わりにホンギは「また時間があれば遊びに来てくださいね」と、人懐こい笑顔を浮かべていた。(秦理絵)
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