【インタビュー】メタルシーンに突如現れた新星・Zilqy。鮮烈なデビューから1年、Annaがこれまでの歩みと1stアルバム『Birth of Riot』に刻んだ決意を語る

【インタビュー】メタルシーンに突如現れた新星・Zilqy。鮮烈なデビューから1年、Annaがこれまでの歩みと1stアルバム『Birth of Riot』に刻んだ決意を語る

「日本発 Global All-Female Metal Band」を掲げ、2025年9月に始動したバンド・Zilqy。Toki(G/ex. Aldious)、Miho(B/ex. LOVEBITES)というガールズメタル界の猛者に見出され、ボーカルに抜擢されたのがAnna(Vo)だ。Toki、Miho、Kano(Dr)が生み出すアグレッシブなバンドサウンドの中で、凛と響く表情豊かな歌声。Zilqyの楽曲がメタル/ヘヴィミュージックの枠組みに収まらないのは、Annaの歌声と、彼女自身が抱える葛藤や過去の傷、孤独感などを赤裸々に刻んだ歌詞の力が大きい。始動から1年を経て完成した1stフルアルバム『Birth of Riot』には、ヘヴィな楽曲はもちろん、キャッチーなメロディが際立つ“RUN”や、壮大なバラード“Other Side of the Moon”など多彩に進化した10曲が並んでいる。その歌声からも、歌詞からも、新たな世界に飛び込んでガムシャラに生きるAnnaのストーリーが伝わってくる1枚だ。彼女はいかにして今この場所に辿り着いたのか。Annaソロインタビューで、その歩みと心境に迫った。インタビュー=後藤寛子

SNSで見つけてもらえるなんて、嘘のような本当の話。まさか自分の身に起こるとは思っていなかった

──初インタビューなので、バンド結成の経緯から伺っていきたいと思います。TokiさんとMihoさんから、Instagramを通じて連絡を受けたことがきっかけだそうですね。そうなんです。SNSで見つけてもらえるなんて、嘘のような本当の話で。TikTokからバズったアーティストもいらっしゃいますけど、まさかそれに似たようなことが自分の身に起こるとは思っていなかったです。インスタをやっていてよかったなあと思いました(笑)。──声をかけられた時、音楽活動はやっていたんですか?以前ポップス寄りのジャンルでソロとして活動していたんですけど、私の未熟さもあってなかなかうまくいかず、そのプロジェクトが終わったあとは音楽の世界から完全に退いていました。自分には向いていないんだとある程度けじめがついたので、音楽とはまったく違う業種で普通に会社員として働いていたんです。会社員としてのキャリアが開こうとしていたタイミングでお話をいただいて、実は2回くらい断ったんですよね。ただ、断るための文章を書いて「これでいいかな」って友達に相談したら、「ちょっと待って、音楽はAnnaの夢なんじゃないの?」と言ってくれて。きっぱり断らず、一緒に制作をしながら検討する期間が9ヶ月くらいありました。──加入の決め手になったのは何だったんですか。実際にメンバーと会って話したり、スタッフの方々も含めて一緒に制作を進めていくのがめちゃくちゃ楽しかったんです。これだけ相性のいい方たちと巡り会えるのは希有なことだなと思って。自分の未熟さで音楽活動から離れたけど、ここでは未熟な自分でも心よく受け入れてもらえて、のびのびできているのを感じて加入を決意しました。──バンドで活動することに対してはすぐ馴染めたんですか?バンドに対しては、最初からすごくワクワクしていました。それこそ以前のプロジェクトでは、プレッシャーを自分ひとりで背負いきれなかったところが大きくて。バンドはひとりじゃないし、しかもメンバーが女の子だけだから意思疎通もしやすい。その環境には救われたと思います。年齢を重ねていくと、挑戦したことのない新しい世界に飛び込むチャンスはなかなかないじゃないですか。20代後半のタイミングで新しい挑戦のお誘いを受けたことは本当にラッキーでした。──逆に、もう一度ソロシンガーとしてデビューしませんか?という話だったら、ちょっと二の足踏んだかもしれない?確かに、ソロではやれていなかった可能性が大きいですね。勇気が出なかったと思います。以前のプロジェクトでの傷がまだ癒えてない部分があって……でも、癒えていないその傷自体が、Zilqyでの作詞活動に活きているところもあります。──一度は歌自体と距離を取るくらいの心境だったんですか?いや、歌自体はずっと好きでした。音楽活動から離れていた頃は、ずっとカラオケで発散してましたね(笑)。──歌い続けてたことが縁に繋がったのかもしれないですね。とはいえ、メタル系はあまり経験がなかったとか。はい。だから、最初は私にはつとまらないだろうなと思っていましたね。メンバーと出会ってすぐの頃にMihoちんのバースデーライブを観たんですけど、ゲストボーカルとして出演していた大山まきさんの歌に度肝を抜かれてしまって。魂を揺さぶらせるような力強さで、私にはこのパワーを出すのは無理だ……と思って、そのあたりで2度目の辞退の原稿を書きかけました(笑)。でも、Mihoちんやプロデューサーに気持ちを話したら「もしパワフルなシンガーがほしいんだったら、そういうボーカリストにお願いしている」と。「僕たちはAnnaの歌い方が好きで、バンドの武器として使いたいから、Annaに頼んでいるんだ」というふうに言ってくれたんです。そう言っていただけるのであればと思って、自分の素直な歌い方で臨めるようになりました。
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初めてスタジオに入った時、こんなに楽しいことがあるの?!というくらい感動しました。居場所が見つかったような感覚でした

──そもそも、Annaさんご自身の音楽ルーツはどういうところにあるんですか?わりと幅広いんですけど、主に洋楽ですね。UKロック、特にブラーがいちばん好きで、レディオヘッドやオアシス、ビートルズも大好きです。でも、中学生の頃は激しいロックをずっと聴いていて、パラモアやリンキン・パーク、フー・ファイターズあたりが思春期の頃のブームでした。改めて考えると、もともとバンドが好きだったんですよね。初めて組んだコピーバンドはリンキン・パークで、チェスター・ベニントンのパートをやりましたから。──まさに、今に繋がる種ですね。そうですね。最初にメタルバンドと聞いた時は少し距離感がありましたけど、実際やってみたら、自分の本質的なキャラクターには合っているんだなと感じました。メタルって、いちばん怒りを表現しやすいジャンルだと思うんですよ。社会人として生きている中で怒りをあらわにすることは難しいけど、それこそカラオケで吐き出していたように、おそらくそういう感情はずっと自分の中に存在していて。バンドを通して、今まで蓋をしていた感情が弾けたところがあります。──実際に3人の生演奏で歌った瞬間はどんな感触でしたか?初めてみんなでスタジオに入った時のことは、めちゃくちゃ鮮明に覚えています。もともと楽器隊だけのリハだったところ、私が突然ボーカルマイクを取って歌い始めて……楽器隊と向かい合うように立って歌ったら超楽しかったんです! こんなに楽しいことがあるの!?というくらい感動しました。今思い出しただけでちょっと涙が出そう。居場所が見つかったような感覚でしたね。──自分からマイクを持って飛び込んだんですか?みんなの演奏を聴きながら口ずさんでいる私を見て、スタッフの方がマイクを渡してくれたんです。確か、曲は“Cannonball”だったかな。バンドのメンバーと合わせるとこんなに気持ちいいんだ!って感動したのを覚えています。加入を決断してよかった、間違ってなかったと確信した瞬間でした。──楽曲制作を進める中で、作詞を担当するようになったのは? 作詞にはもともと挑戦してみたいと思っていたんです。一度音楽活動から離れていろいろな経験をして、いろいろな世界を見てきて、歌いたいと思うトピックが多くあったので、それを曲に落とし込むのはすごく気持ちいいですね。1st EP『Vacant Throne』の歌詞はもう少し抽象性が高かった気がしますけど、ニューアルバム『Birth of Riot』では各楽曲の歌詞を裏づける感情や伝えたいメッセージが具体的になったと思います。これからライブでお客さんの前で歌って演奏することによって、もっと具体化していく予感があります。──基本的に英語詞ですが、英語詞のほうが出てきやすいんですか。Zilqyとして海外に挑戦していきたいという思いもありつつ、英詞のほうがサウンドとして気持ちいいのが大きいのかなと思います。──バイリンガルということで、発音もきれいですよね。海外での経験などがあるんですか?幼少期に英語教育で育ったんです。むしろ日本語が拙いので、よくライブのMC中に恥をかいています(笑)。今はインタビューに合わせて日本語脳にしていますけど……ナイフ/フォークを使う感覚と、お箸を使う感覚を使い分けるようなものかもしれないですね。
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