【インタビュー】極上サウンド×変化球の歌詞が猛る4thミニアルバム『iVかずき山盛り』。唯一無二の表現スタイル、その背景にあるものとは── メンバー全員で語る

【インタビュー】極上サウンド×変化球の歌詞が猛る4thミニアルバム『iVかずき山盛り』。唯一無二の表現スタイル、その背景にあるものとは── メンバー全員で語る

“めっちゃパイレーツ”の大バズを追い風にしつつ、ライブハウスシーンでも絶大な存在感を放っている大阪の3ピースパンクバンド、かずき山盛り。音楽フェスなどで初めてライブを観た人の胸にも強烈な印象を残すはずだ。3人が鳴り響かせるサウンドは、猛烈なエネルギーの塊。メロコアに多彩なエッセンスを添加し、怒涛の展開をさせるサウンドは、文句なしにかっこいい。しかし……歌詞の様子がおかしいのは一体どういうわけなのか? 真面目な言葉を並べれば正統派の名曲になるはずなのに、あえてどうかしている方向(いい意味)に突き進むスタイルは、作品を重ねる中で着々と磨かれている。9月9日にリリースされる4thミニアルバム『iVかずき山盛り』もリスナーの意表を突く刺激の連続だ。この独特な作風は、どのようにして生まれているのだろうか? 8月25日に心斎橋BIGCATで開催される「かずき山盛り presents BIGCAT ONE MAN 『ガチのやつ』」が間近に控える中、メンバーに語ってもらった。インタビュー=田中大

そもそも僕が歌詞書けなくて、こうなったんです。思ってないことは歌えないので、「じゃあ、ふざけよう」と

──結成は2019年6月、大学のサークル仲間ということで。イサム(B・Vo) そうです。アズマと一緒にメロコアのコピバンをしていたんですけど、オリジナル曲しかやれないイベントがあって、そのために初めて曲を書いたんです。そうしたら結構ウケて、「これ、外でもいけるんちゃうの?」ってなって。アズマ(G) それで、ぬるっと始まりました。──コピーは、どんなものを?アズマ SHANKNorthern19とか。イサム 10-FEETとかも。アズマとは仲がよくて、バンド以外でもよく一緒にいましたね。僕、当時ダーツにはまってたんですけど、アズマのお尻に刺したり。アズマ いろんなものをお尻に刺される時期がありましたね。ふたりとも悪ふざけが好きで、今も悪ふざけの規模を広げているだけです(笑)。──(笑)。そんなバンドにムツキさんは2024年8月に加入したわけですね。ムツキ(Dr) はい。イサムくんと同じバイトをやっとって、そこからいろいろあり、入ることになりました。イサム 前のドラムが抜けて、でもライブは飛ばされへんので、「5日後くらいやねんけど、10曲くらい叩ける?」と(笑)。そこから半年くらい一緒にツアーをやって、正式に入ってもらうことになりました。ムツキ かずき山盛り、もともと聴いてたんです。入る前にライブも観に行ったんですけど、入ることなんて想像できないライブで(笑)。でも、曲はめちゃくちゃよくて、知り合いにも「かずき山盛り、めちゃくちゃいいねんで」って言ってました。曲の部分は最高でしたね。
【インタビュー】極上サウンド×変化球の歌詞が猛る4thミニアルバム『iVかずき山盛り』。唯一無二の表現スタイル、その背景にあるものとは── メンバー全員で語る - 左からムツキ(Dr)、イサム(B・Vo)、アズマ(G)左からムツキ(Dr)、イサム(B・Vo)、アズマ(G)
──「曲の部分は最高」は、おそらく多くの人がかずき山盛りに関して感じていることだと思います。歌詞でとことんふざけるスタイルは、どのような経緯で生まれたんでしょうか?イサム そもそも僕が歌詞書けなくて、こうなったんです。他のバンドとか聴いてて「この歌詞いいなあ」とかはあるんですけど、「俺はこうは思わへんなあ」みたいなことばっかりで。思ってないことは歌えないので、「じゃあ、ふざけよう」と。──たとえば“チキンisうまい!”は、心の底から思ってること?イサム はい。正直な気持ちです。── “バイキング行く前におかしたべるなよ”も?イサム アズマが歌詞書いたんですけど、まあそうですよね。アズマ その件に関してイサムと喧嘩したことがあって。イサム ふたりの間で出てきた引っかかる言葉を歌詞にしがちです。──それっぽい、なんかいいこと言ってる風の歌詞を乗せたら、正統派の「いい曲!」になるはずのサウンドなんですけどね(笑)。アズマ レコーディングで、いつもそういうこと言ってますね。自分で作ってんのに(笑)。イサム 先にオケができあがるから、最後の歌入れで「もったいねえ……」と(笑)。──歌詞と曲のギャップと言えば、“ちんかすだらけの運動会”。胸に沁みるメロディです。イサム いいメロ。もったいないですよね(笑)。エモーショナルな感じの歌詞は僕が書けなかったので、「アズマ書いて」と。《ちんかすだらけの運動会》からは僕が書いて。アズマ 最初、サビの歌詞だけ決まってて、「AメロBメロ真面目にして、落としたいねん。おまえの失恋を赤裸々に書け」と言われたので書きました(笑)。

──でもサウンドのかっこよさは、ライブでも発揮していますよね。息の合わせ方、タメとキメをバシッと合せて突っ走る感じとか、まさに「ロックバンド!」という感じです。アズマ ありがとうございます!イサム レコーディングでも、テイクはめっちゃこだわっちゃいますね。ばり細かく録って「何テイクやんねん」みたいな。──多くの人が抱くかずき山盛りの印象は「面白い」だと思いますが、音楽をすごく真剣にやっているバンドだというのは、ぜひ言っておきたい点です。イサム 最近やっとそう言われるようになりました。「実はヤバない?」っていう感じにちょっとずつなってきた。僕はずっと「わかってくれ!」って思ってたんですけど、やっぱ歌詞先行でのイメージがあるんですよね。
【インタビュー】極上サウンド×変化球の歌詞が猛る4thミニアルバム『iVかずき山盛り』。唯一無二の表現スタイル、その背景にあるものとは── メンバー全員で語る

ばり凝ったことしてます。今、リスナーはみんなドパガキなんで、「なんか変なことをしながらキャッチーに聴かせへんとなあ」と

──新しいミニアルバム『iVかずき山盛り』は、どんな1枚にしたいと思っていました?イサム 前から全曲ジャンルが違うやつにしたいなって思ってて、それがやっとできあがりました。アズマ 幅広いから、脳が揺れる。ムツキ 僕としては初めて全部自分が叩いてるミニアルバムでもあって、いちばん好きです。フィルの感じとか、自分の癖も出せてると思います。まあ、叩いてない曲もあるんですけど(笑)。──(笑)。1曲目の“ポジティブカンフー”の時点で、かなりアクが強いです。中華風のメロが取り入れられていて、シンセがスペイシーなムードを醸し出してもいて。イサム チャイニーズで、キャッチーで、ポップなこの曲は、トラック数がめっちゃ多くて。やってみたら、意外とこういうのもできました。

──中国式エステの呼び込みみたいなのが盛り込まれていますが、これは?イサム アズマが書いたのはほぼここよね?アズマ 違う!(笑)。でも、今回は実体験を書いた歌詞が多いのかも。“ポジティブカンフー”って、イサムがベロベロに酔っぱらったときにずっと使ってた技なんですよ。イサム 寝てる人を起こす技です。アズマ 「ポジティブカンフーや!」って、しばきまくって起こすんです。イサム 単なる悪ノリ(笑)。4年くらい前にやってた技なんですけど、そのワードがまだ頭の中に残ってたので、いいワードなのかもって思って。アズマ “二次会NINJA”も、二次会の途中で帰る人をイサムが「あの人は忍者や!」ってずっと言ってたんです。あと“sacrifice”も、僕が路上で寝てたら外国の人に晒されてインスタでプチバズったときのことです。──どの曲もぶっ飛んだ歌詞なのに「かっこいい!」ってなるのは、やはりサウンドをすごく緻密に作り込んでいるからこそですよ。イサム ばり凝ったことしてます。今、リスナーはみんなドパガキなんで、「なんか変なことをしながらキャッチーに聴かせへんとなあ」と。──ボカロの登場以降、仕掛け盛りだくさんで、メロも複雑な動きをするJ-POPが増えましたが、バンドの音楽にもその影響はかなり出てきていますよね?イサム そう思います。生き残ってるのは、そういう人らな気がします。もともとボカロはそんなに聴いてなかったんですけど、音楽制作を始めてからYouTubeとかでいろいろ聴いて勉強しました。──ボカロのエッセンスが入ると、ドラマーが大変ですよね?ムツキ はい。一旦むちゃくちゃにして、「どうやってやろう?」みたいな(笑)。アズマ それはぶっちゃけ、ギターでもあります。でも、イサムが作るフレーズ、センスあるので頑張ります。
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