【インタビュー】おいしくるメロンパン、メランコリックにメジャーロックシーンを刺す新曲“ツツジの枯れる頃には” の破壊力の正体

【インタビュー】おいしくるメロンパン、メランコリックにメジャーロックシーンを刺す新曲“ツツジの枯れる頃には” の破壊力の正体

ツツジの花言葉で「節度」「慎み」っていうのがあって、それが枯れる頃には自由だなという。結構、精神はパンクかもしれない

──なんで“ツツジの枯れる頃には”というタイトルなの?

ツツジの花言葉で、「節度」「慎み」っていうのがあって。それが枯れる頃には自由だなという感じですね。あとは学校とツツジの花が僕の中で結びついてて。

──じゃあ結構、ドロップアウトするパンク感みたいなものをおいしくるらしく美しく花を使って書くと、こうなるって感じ?

そうですね。結構、精神はパンクかもしれない、そう考えたら。

──なんで《虚構の鳥籠》を解きほどいたものがイヤホンコードなの?

結構それは情景でしかなくて、深い意味はないのかもしれないですけど。昔は有線のイヤホン使って、学校行く時とか帰る時とかに音楽聴こうとしたら、めちゃ絡まってるみたいな。それをするする解いていく感じ。ストレスが、やっと音楽が聴けるっていう喜びに変わるイメージからですかね。

──これ、めっちゃ共感ポイントだと思いますよ、聴いてる人に。

ああ、そうですか?

──世代も超えながら。

ギリ、イヤホンコード伝わんないかもとはちょっと思って。もう結構、無線が主流だから。

──でも、たとえばお金ないから有線のイヤホン使ったり。それはそれでちょっと思春期っぽいというか。

確かに、確かに。

──この曲ってそういうドロップアウトの歌ではあるけど、逆にいろいろ経たおいしくるメロンパンがメジャーデビューもして、ひとつの規範の中でロックという表現をしてるわけじゃないですか。今、敢えてこれを出すっていうのは、ナカシマくんなりの無意識の計算みたいなものもちゃんと入っている感じがする。

ああ、よかったです。

──自分なりにはあるの? 今これだっていう理屈みたいなものが。

いや、でも、結構その時その時につくりたいっていう気持ちに従うのが結果的にいちばんいいっていうか。なので、あんまり意識して計算して、次はこれをやるべきだとは考えたことないんですけど。でも感覚として、これがやりたいなっていうものが、今までやってきた中でわりと間違ってなかったなっていうのがあって。なので、今はこういう不安定でちょっと尖った暗いものっていうのがつくりたいっていうことは、たぶんそっちに行くべきなんだろうなって思ってるっていうぐらいですかね。

──メンバーには「俺の感覚を信じろ」で伝わる部分があるじゃないですか。でもメジャーになって周りを取り囲む人が増えて、ちゃんと届けようとしてくれる仲間が増えたからこそ、「もうちょっと説明いるかな」みたいなこともあるのかなって気がするんですけど。

確かにそれは、増えましたね。まあ、よくも悪くも心配してくれるというか。でも結局、最終的には自分がつくりたいものしかつくってないなって思って。だから申し訳ないけど、何言われてもそんなに変わんないよって思っちゃいますね。なので結果的に「俺を信じろ」になっちゃってるかもしれないですね、スタンスとしては。

──そこに説得力をもたせるテクニックがある気がするんですね。最初、「暗い方向」っていう説明だったじゃない? その言葉のセレクトだと誤解を生む気がする。プロモーションだけの話じゃなくて。感覚では間違いなく正しいこの展開に、周りを巻き込んでいくためのアプローチが、わりとナカシマくんの場合は武骨なんだけど、もうちょっと器用になれるような気もする。

そうですね。その話をしながら思い出したんですけど、「おいしくるメロンパンのメランコリックな一面を出したい」って言ってこの曲を通した記憶がありますね。「暗い」よりは「メランコリック」のほうが伝わるし、言い得てると思うんで。

──それは周りに響いた?

いや、わかんないです(笑)。たぶん響いてはないかもしれないですけど。でも『bouquet』では出し尽くせなかった魅力のひとつとしてあると思うんで。

──メランコリックはいいワードだと思います。「暗い」より絶対「メランコリック」のほうがいい。

ははは、確かに。次からインタビューでもそれで行きます(笑)。

──そのメランコリックな側面がキャッチーだと思う。もしかしたら“群青逃避行”よりもキャッチーかもしれない。“群青逃避行”にはすごく本質的なロックとポップが融合してて美しかったんだけど、もっと動物的なものがここには入ってる。“獣”とか“空腹な動物のための”とかで表現してたことが、より伝わりやすいポップな表現になるとメランコリックなのかもしれないし。

そうですね。「私の曲だ」って思ってもらえるポイントがちょっとでもあればいいなとは思ってるんで、そのメランコリックな雰囲気がそこに繋がるといいなと思いますね。

【インタビュー】おいしくるメロンパン、メランコリックにメジャーロックシーンを刺す新曲“ツツジの枯れる頃には” の破壊力の正体

いろんなこと考えると欲をかかなきゃなとは思います

──おいしくるのファンは10代終わりぐらいの人が多いし、大人でも思春期とかモラトリアムの要素を持ってる人に響いてると思うんですよね。これっておいしくるのファンにとって結構ど真ん中だという気がする。

そうですね。それがもっと会議とかで言えたらスッと通ってたかもしれない(笑)。

──じゃあ意外と苦戦したんだ。

大丈夫か?みたいな雰囲気にはなってましたね。そういう説明は結構、苦手かもしれないです。

──それもメジャーの醍醐味じゃないですか(笑)。

ああ、それはメジャーの醍醐味なんですね。確かにそうかも。そういう会話の中での試行錯誤で育まれたものは曲に活きたりもするだろうし、自分をさらに見つめ直したりするきっかけにもなると思うんで。そういう点ではめっちゃいいなと思いますね。

──そういう大人になった今だからこその摩擦感をポジティブに変えていくエネルギーも、この曲には入ってる気がするし。逆にメジャーのおいしくるにこれをやってほしかった感じはあるかな。

ああ、よかったです。そう言っていただけて。

──これが正しいって証明していってほしいですね、ライブとかいろんなところで。

うんうん、そうですね。

──それは自信あるんじゃない?

いやでも、自分の中で正しいだろうなっていう自信はあるけど、そこから一歩外のことというか、届く人のこととかまでは全然わかんないですね。結構なんでもいいなっていうのが本心で。自分が納得できるものならば多少は共感してくれる人はいるだろうなというか、それで十分かなって思っちゃってるところがあって。自分っていう軸をやっぱ大事にやっていけたら、それでいいなとは思ってますね。

──その軸はもうブレないんだから、もうちょっと欲かいてもいいんじゃないって気もするけど。もうちょっと欲をかくのがまたメジャーの醍醐味だと知ってほしい(笑)。

いろんなこと考えると欲をかかなきゃなとは思いますね。

──欲のかき方だよね。ナカシマくんなりの欲のかき方を見たいですね。でも、この曲は、すごくいい線突いてると改めて言っておきます。

嬉しい。ありがとうございます。

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ヘア&メイク=栗間夏美



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