【インタビュー】2年間のすべてを注いだフルボリュームの新アルバム『ENSEMBLE』完成。Arakezuriの歌は何を伝えどこを目指すのか、その核心を語る

【インタビュー】2年間のすべてを注いだフルボリュームの新アルバム『ENSEMBLE』完成。Arakezuriの歌は何を伝えどこを目指すのか、その核心を語る

僕らのお客さんはMVやサブスクでよく聴いてくださるんですけど、音楽を好きな人ってそこだけじゃないから、余す所なく届けていきたい(石坂)

──ある程度抜粋するのではなく、全曲入れちゃおうとなったのはどうしてですか?

白井 やっぱり曲数が多かったらおもろいかなっていう(笑)。

石坂 ほとんどがリード曲として出してきた曲なんで、逆に抜く意味がわからんくて。だったらもう20曲っていう大ボリュームで謳ったほうが面白いなという結論になりましたね。

──ああ、確かにこのパンチ力と密度は、元々がシングル曲として書かれていたからこそですね。

椿 全部個性が強すぎる(笑)。

白井 あと、これまでSNSとか結構頑張ってきたんですけど、一周回ってSNSで事足りる時代だからこそ面と向かったもののほうが伝わりやすいんじゃないか?という感覚もあって。そのひとつとしてCDを手に取ってもらいたいという思いはありました。

石坂 サブスクをやってない人が意外といるっていう話も聞いたことがあって。CDじゃないと音楽を聴いた気にならへんって人もいますし、そういうCDを聴いてきた世代にもちゃんと届けたいというのはあります。今、僕らのお客さんはそれこそMVやサブスクでよく聴いてくださるんですけど、音楽を好きな人ってそこだけじゃないから、余す所なく届けていきたいですよね。

──キャパも増えてきたからこそ、さらに拡大するための一手として。

石坂 そうですね。Arakezuriの音楽を届けられてる範囲にも限界を感じてたので、もっと届けなあかんという意識でした。初めましての人に向けてのアルバムというニュアンスもあったからこそ、リード曲たちを抜けなかったですね。

──歌う内容やサウンド面をトータルで見ると、もっとあれこれ手を出してもおかしくないところを、あえて範囲を定めた中で創意工夫している印象でした。

白井 確かにおっしゃる通りかもしれないですね。結局好きなのはこういう感じというか(笑)。

──言葉は悪いですけど、その部分を擦り続けてこれだけの曲数を作れたのはすごいと思います。

白井 テーマを変えたくないからこそ難しくて、本当に擦らないといけないし、削るところがない(笑)。こだわればこだわるほど曲作りが難しくなっていくのは感じてます。今後はもしかしたら──。

椿 変わる可能性もね(笑)。

白井 でも結果的に自分が聴きたい曲を作れば、それはArakezuriっぽくなっていくのかなと。

──アルバム用に作った新曲たちは、それまでのシングル曲より少し外側を攻める意識もありました?

白井 それは結構大きいですね。僕の中の線引きで言うと“ラブレター”はシングルとしては作らなかった曲だと思います。あと“あらすじ”は今までやってきたようでやってなかったような曲で。

──HIP-HOP要素があって、ビートの質感も明らかに他と違いますね。

椿 機械的にタイトというか。抑揚とかはもう他でつけてくれっていう感じでした。

宇野 僕はこの中だといちばんHIP-HOPを聴いてて。不可思議/wonderboyさんの“Pellicule”のトラックの頭を参考にしたいって速攻で提案して。ループ系のノリはそこから引っ張ってきてるので、いちばん気に入ってます。

【インタビュー】2年間のすべてを注いだフルボリュームの新アルバム『ENSEMBLE』完成。Arakezuriの歌は何を伝えどこを目指すのか、その核心を語る

白井 “シンガロング”とかはすごく広い視野を持った曲なんですけど、この曲をあえていちばん小さい点というか、自分にしか歌ってない気持ちで作れたのはアルバムならではかなと思います。

初めからなんでもかんでもできたわけではなかったし、思い上がってしまってたな、曲を作れるだけですごいことなんだと思えてなかったなって(白井)

──他の新曲で言うと、“RED”はもうライブに全振りのショートチューンですね。

石坂 僕らってライブでお客さんと一緒に歌ったりクラップしたり、拳を突き上げることも多いんですけど、踊るっていうのはあんまりなくて。そのきっかけになれたらいいな思ってダンスビートにいきなり変えたんですけど、もしかしたらスカ(ダンス)が踏めてしまうんじゃないかという。お客さんにはライブでフィジカルも開放して満足してほしいので、この曲で踊り狂ってほしいですね。

──“素晴らしい人生”は、このアルバムの期間でバンドが伝えたかったことの中心を射抜くような曲だと思いました。

白井 他の新曲が拡げる方向やったんで、あえてこれまでのArakezuriのそのまま延長線上で作ったというか。そのままストレートに行ってみた曲ですね。

椿 ライブでやった時もみんなで歌ってガッと感情が伝わってくる気がしたんですよ。作ってる段階からもう歌詞を見て「ストレートがいちばんいいな」みたいな感覚もあったし。

白井 いい意味で想像通りの、期待を裏切らないArakezuriの新曲かなと思います。

──つまりArakezuriの曲って、突き詰めれば人生讃歌なんだと思うんです。それこそが自分の歌ってほしい歌ということですよね。

白井 そうですね。そういうことを歌ってくれるバンドにすごく救われてきたんで、自分を救える歌でもあり聴いてくれる人の支えにもなる、お守りみたいな曲になったらいいなと思ってます。

──新曲以外でお気に入りや思い出深い曲を挙げるとしたら、白井さんどうですか?

白井 “だめでもともと”です。作るのに時間がかかった曲なんですけど、いちばん自分の曲にハッとさせられたというか。なかなか曲が書けなくて、もう俺に曲を作る才能はなくなったんだ……みたいに思う時もあったんですけど、別に初めからなんでもかんでもできたわけではなかったし、思い上がってしまってたな、曲を作れるだけですごいことなんだと思えてなかったなって。だめでもともとやから、いい曲を作ろうとか思いすぎないほうがいいんじゃないかということに気づけた、自分にとって大事な曲になりましたね。

【インタビュー】2年間のすべてを注いだフルボリュームの新アルバム『ENSEMBLE』完成。Arakezuriの歌は何を伝えどこを目指すのか、その核心を語る

──この曲もそうだし、本当に正直で強い曲が揃った全20曲だと思います。そしてリリース後には「COUNTDOWN JAPAN」への出演があり、年明けにはZepp Shinjukuも控えてますね。

石坂 「COUNTDOWN JAPAN」が今年最後のライブになるんですけど、2025年のすべてを詰め込むライブを披露したいので気合いも入ってます。しっかり締めにいくし、そこだけで終わらずZepp Shinjukuにしっかり繋げることがテーマですね。

宇野 僕らだけじゃ絶対に辿り着けなかったステージだと思ってて。そこにまず感謝の気持ちを持っているからこそ、まずは自分らがいちばん楽しんでライブをしようと思います。

椿 めちゃくちゃ緊張するだろうけど、みんなにも楽しんでるところを見てもらいたいし、とにかく悔いがないようにやりたいなと思います。

白井 シンプルに「COUNTDOWN JAPAN」を楽しませてもらいたいです。もちろん、いいライブもしたいですけど、いち音楽好きとしてめっちゃ好きなバンドもいるので、骨の髄までしゃぶり尽くしていちばん楽しんでやろうかなと思ってます(笑)。


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