【インタビュー】大きな愛と祈りが降り注ぐ──Furui Riho、強力な1曲が完成! TVアニメ『CITY THE ANIMATION』主題歌“Hello”に起きた「奇跡」を語る

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自分がどれだけ足りない人間でも、目の前にいる人を大切に愛していれば、その愛は無駄じゃない

──今の世の中に対して《雨は上がって》ってサビ頭で歌うのは、結構な勇気と思い切りが必要ですよね。それを「祈り」がルーツにあるゴスペルの中で歌っているからこそ、ただ「楽しい」とか「明るい」ではない、人の身体を芯から温めるような愛のある歌になったんじゃないかなと思います。祈りみたいなものはめっちゃ込めました。自分のルーツはやっぱりゴスペルで、自分にしかできないところかなとも思うので、そこは出していきたいなって思っています。──しかも『Love One Another』で「自分を愛そう、許してあげよう」というテーマに到達したあとだから出せた表現力なのかなとも思いました。それは確かにあるかもしれないです。『Love One Another』は、自分に向けて音楽をやっていたのと、人に向けて音楽を書き始めた、その中間地点のアルバムなんですよ。だんだん誰かに向けて曲を書くことが多くなってきて、“Hello”はその究極かな。相手が誰かひとりじゃなく大人数で、たくさんの「誰か」に届いてほしいという想いがいちばん凝縮しているというか、ここまでは初めてかもしれないですね。──なぜそこまで人に向けて歌を書こうという意識になれたんでしょうね。19年に初めて“Rebirth”を出した時はとにかく自分が嫌いで。お金もなかったし、売れてもないし、自分の価値が最低ラインだったので、なんとか自分を好きになりたい、自分の価値を高めたいと思って作っていた曲ばかりでした。歯を食いしばっていくぞとか、自分のことは嫌いだけど好きになろうとか、自由になろうとか、自己実現や自己承認、自由への渇望だけを描いてきたけど、『Love One Another』くらいからもうそれが叶ったんですよ。自分のことを好きになったんです。一つひとつ経験して、失敗もして、周りのスタッフが支えてくれたり、たくさんの人に聴いてもらったことで自信を持てて、どんどん自分の心の中のコップが満たされていったんですよね。曲で満たす必要がなくなったので、じゃあどうするかというと、コップから溢れた愛を誰かに向けるような曲を書く、という方向に自然とシフトしていったんだと思います。みんなからもらったり、自分で注いだりした愛を、次は人に使おうっていう感じかな。──今のRihoさんが歌うから、“Hello”は愛や祈りが降り注ぐような空気感を出せたということですよね。でも、どうやって自分の心の中のコップを満たせたんだと思いますか? それって、めちゃくちゃ難しいことですよね。難しくて、私もだいぶ時間がかかりましたね。1回ガーンって落ちた時期があって、その時はもう「死にたい」みたいな、それから10年近くはずっと空っぽでした。自分に嘘をつかなくなってから、(コップに)溜まり始めたんだと思います。かっこつけたい人間だったので、たとえば「歌が上手いと思ってもらうように歌う」とかを考えていたんですよ。そうじゃなくて、“嫌い”で歌っているみたいに、足が短い、顔が丸いとか、弱いところも全部さらけ出したほうが生きやすいと思ったんですよね。かっこつけなくていいと思ったら、いつでも失敗できる自分になれるし、無理せず自然体でいられるようになって、そこから毎日がめちゃくちゃ楽になりました。──その感覚はすごくわかるというか。私も20代の頃って、かっこつけたがったり、失敗を重く捉えすぎたり、自分の地位とか周りからの評価を、誰も気にしてないのに自分がいちばん気にしちゃったりして。そうそう。「嫌われたくない」みたいな気持ちも昔はすっごくありました。完璧な人間なんてひとりもいないし、失敗するのは当たり前で、全員に好かれることは無理ということに本当の意味で気づいた時に、「じゃあもっと自分らしくいていいんだ」って思い始めましたね。自分がどれだけ足りない人間でも、目の前にいる人を大切に愛していれば、その愛は無駄じゃない。それはいつか返ってくるものだとも感じるし、もし愛して大切にしたけど嫌われたのなら、それはその人の人生にとって私は必要ないということだから、別にそこに執着する必要はない。私はありのままでいて、目の前の人を大切に愛する努力をしていれば、結果、周りに愛される人間になれるんじゃないかというような期待をしています。──きっとそれはただ期待だけじゃなくて、そうなんだという実感を少しずつ得てきたから信じられるんでしょうし。やっぱり愛すると返ってくるということを実感しました。自分も完璧じゃないから、完璧じゃない自分を許してもらった時にすごく感謝しますよね。だから相手が何かミスをしたり、傷つけられた時も、受け止めて許す努力をしたいなと最近は思ったりします。
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「ちゃんとしなきゃ」と思っていた自分を、「ちゃんとしなくていいよ」「80%くらいでいい時もあるよ」って許してあげる歌であり、もし悩んでいる人がいたなら「大丈夫だよ」って言ってあげたい

──カップリング曲の“ちゃんと”もまた、私としてもすごく共感しちゃう曲でした。これは働く人たち、真面目な人たちに届いてほしいですね。──Rihoさんも休むのが下手で、真面目すぎるくらいに頑張っちゃうタイプですか?そうですね。去年の秋くらいに、ぶっ壊れちゃって。去年、夏頃から120%くらいで頑張っちゃってて、気づいたら爆発して⋯⋯東京に来て1年目だったので、すごく頑張りたいけど、環境も音楽に対する働き方も全く変わったし、うまいバランスの生活の仕方がわからずにごちゃごちゃっとなっちゃって。「これじゃダメだ」って思って、120%じゃなくて80%で生きようって、仕事への向き合い方も考えるようになりました。余白を作ることの大事さをすごく実感した数ヶ月だったんですよね。今も120%で頑張っちゃう日もあるし、余白を作りすぎる日もあるんですけど、なんとかバランスを保ちながら生活することの大事さを考えている中でできた曲です。「ちゃんとしなきゃ」と思っていた自分を、「ちゃんとしなくていいよ」「80%くらいでいい時もあるよ」って許してあげる歌であり、もし悩んでいる人がいたなら「大丈夫だよ」って言ってあげたい歌ですね。──今、品行方正を求められすぎるくらいの時代で、みんなが「ちゃんとしなきゃいけない」と縛られている状況で。そういう時代に、「ちゃんと」という言葉をあれだけユーモラスで楽しい音楽にして投げているのが、とても素敵だなと思います。《「ちゃんと」》の歌詞は、最初「ジャングル」だったんですよ。別の言葉がないかなと思っていたら「ちゃんと」が出てきて、「今の私に必要な言葉だ」と思って、そこからわりと悩まずに書いた覚えがあります。
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──今はアーティストとしてもひとりの人間としてもいいモードで、そこに大きなチャンスもきて。アーティストにとっていちばん幸せな掛け算ができているタイミングだというふうに見えていますけど、実際はどうですか?私もそう思います。やっときたというか、ここまで長かったなって。“Hello”は今までの活動を全部肯定してくれるような曲で──今まで作った曲の中でいちばん好きなんですよ。自分らしさも出せたし、自分で作り出したというよりかは降ってきた感じがあったので、特別なパワーがあるように感じているんですよね。私のおばあちゃんが2年前に脳出血で倒れちゃって、今病院でほとんど寝たきりなんですけど、この前お母さんが病院で“Hello”を聴かせたら、だんだん目が開いてきて「うわー」って言ったらしくて。お母さんもびっくりして泣いて。──それはこの音楽に宿っている力を感じさせる話ですね。そういう意味でもこの曲に何かパワーを感じるんですよね。UNIQLOのタイアップをやったり、Zeppツアーができたりと、ちゃんと階段を上がるように少しずつ世の中から認められてきたのかもなとは思っていて。そのタイミングで“Hello”を出せたので、25年は特別な1年になるんじゃないかなという感じがします。
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発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』9月号にもFurui Rihoのインタビューを掲載!
JAPAN最新号、発売中!SUPER BEAVER/別冊 UVERworld/SEKAI NO OWARI/あいみょん/Vaundy/クリープハイプ/キタニタツヤ/おいしくるメロンパン
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