ツアー・オブ・ザ・ユニバースのハイライトとなった、バルセロナ公演の模様を収録したライブ作品。これまでにも何タイトルかリリースされたデペッシュ・モードのライブ映像を観て、何度も確認してきたことではあるが、繊細かつ陰鬱なエレクトロ・ポップ・バンドが、スタジアムを熱狂させる一大エンターテナーに化けている姿は本当に圧巻だ。そして今作は特に、ここへきてバンドが再び全盛期にあることを示すかのような、素晴らしい内容になっている。通常、これくらいのキャリアがあるバンドだと、最新アルバムはオマケ程度の扱いで、往年の代表曲ばかりサービスで演奏せざるを得ない状況もままならないものだが、『サウンズ・オブ・ユニバース』が傑作だったことも反映して、このショウではオープニングのムード作りをしっかり担いつつ、その後も何度か新しい曲が披露され、過去のナンバーに遜色ない輝きを見せている。
また、ツアー開始早々にデイヴ・ガーンの悪性腫瘍発見のため延期となった経緯もあってか、マーティン・ゴアがボーカル面でのサポートをいつも以上に頑張っている(妄想かも)のも見どころだ。(鈴木喜之)