『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
先にリリースされた“Again”も、小林武史のピアノや山本拓夫のサックスが際立っていたけれど、アルバムも全体を通して生々しい。1曲目“キングスネークの憂鬱”から、サビのシンガロングが主役。ほかにも、華麗にテンポチェンジする“禁断の実”や、桜井和寿の歌声に惚れ惚れする“平熱”を聴くとライブが楽しみになる一方で、様々な楽曲でシネマティックなSEが多用されており、音源としても魅了される。誰も置いていかないのがミスチルなんだと、改めて思う。また“Saturday”や“Nowhere Man ~喝采が聞こえる”など、レジェンドのオマージュが感じられる楽曲も。さらに《あぁ なんか悔しいよ》と歌う“Glastonbury”もあるし、《J下部》なんてサッカー好き全開ワードが織り込まれた“空也上人”もある。なによりミスチルが、「家族」をテーマに切々と歌う日が来るとは。大人の等身大をさらけ出すことで、新たなフェーズに足を踏み入れた傑作。すこぶるエネルギッシュな『産声』を聴くに、この先まで楽しみになる。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』5月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。