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痛快すぎるほど痛快。単純に憤りを発散して溜飲を下げて終わるような代物ではない。この“FLIP FLAP”は彼女自身の実体験をベースに書いたものだというが、ここで表現されているのは、現代に蔓延る目に見えないムードそのもののようでもある。たとえば“美人”や“NG”がそうであったように、世間の中傷や冷笑や偏見を、アーティスティックな冴えたやり方で蹴散らすのがちゃんみなの流儀。決して小狡い輩と同じ土俵には乗らない。そしてこの“FLIP FLAP”でのアイロニーたっぷりな切り返しには、さらに強かさを増した、彼女ならではのクールな戦い方を見ることができる。世間の評価や大勢に順応して態度を豹変させる人間のことを、手軽にひっくり返してできるパンケーキに喩えているのも痛烈(大抵の場合、「手のひら返し」は悪意なく行われるから)。それはちゃんみなが受けた実体験のみならず、現代にまかり通る手軽な迎合主義へのアンチテーゼだ。時代の空気ごと風刺する楽曲に仕上がっているからこそ、この曲は強い。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より)
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