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“ちゅ、多様性。”を収録したアルバム『猫猫吐吐』でアーティスト・anoの世界観を確立させた直後。彼女は自身で作詞作曲を手掛けた“YOU&愛Heaven”で《ひとつ手にしてふたつ手放す/そんな日常の繰り返し》と歌い、《あなたの絶対になってあげるね/これがぼくの使命だからっ!》と決意を刻んだ。“YOU&愛Heaven”以降のシングル曲を納めた今作は、多数のタイアップソングの存在感に負けないほど、「等身大のano」が伝わってくる1枚だ。共作を含めれば、全12曲中6曲の作曲に関わり、カバー曲“社会の窓”以外すべての作詞を担当。サウンドはバキバキのエレクトロナンバーからギターロックまでさまざまだが、メロディと言葉にanoの滾る血が通っている。世の中に牙を剥く自己主張とともに、何より溢れているのは孤独を抱える仲間に手を差し伸べ、「ひとりじゃない」と寄り添う想い。みんなのポップアイコンとしてではなく、《あなたの絶対になってあげる》使命を背負ったanoの叫びを浴びてほしい。(後藤寛子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年7月号より)
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