日常でひとりふと物思いに耽る瞬間を、情感と情景を交えて誠実に綴る。矢継ぎ早に言葉を繰り出す爽快感に富んだ“Eye”、淡々とした浮遊感で自分のペースで生きる大切さを歌う“ゆれて”、アコギとDTMとウィスパーボイスが夜明け前の静と動を描く“サイレンと東京”などの新機軸もさることながら、バンドサウンドとピアノでシックかつ丁寧に紡ぐバラード“夢が夢であるうちに”の伸びやかで飾らないボーカルが胸に染み入る。自分の弱さや不安を認めるのは痛みが伴うかもしれない。だがそこと向き合うからこそ迎えられる朝がある。10曲の物語がそう語りかけるようだ。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年5月号より抜粋)
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