何も、なかったことにはできない 君島大空『映帶する煙』 発売中 ALBUM 君島大空に取材をすると、彼はとても明晰な言葉で話す。彼の音楽のイメージから意外と思う人もいるかもしれないが、彼ははっきりと自分の言葉で話すし、彼の言葉はとても伝わる。それだけ作品を作る中で様々な思考を重ねていることの証だろう。柔らかく悪戯っぽい笑顔を浮かべることもあるし、「あなたにはわからないでしょうけど」と突き放すような冷たい表情になる時もあるが、それは何かを諦めている人の感じではなくて、彼はその冷たさすらも、静かな熱としてこちらに伝えようとしている感じがする。彼は何も「なかったこと」にはしたくないのだろうと思う。この1stフルアルバムは、1stEP『午後の反射光』以降の作品で彼が刻んできた命の蠢きを追体験するような流れを持つ、いわば君島の「個人史」を描いているとも言える一作である。本作は最後、怒りと混乱の異形のブルース“No heavenly”で幕を閉じる。ほとんど悲鳴に近い終わり方であると同時に、力ずくでドアを蹴破るような終わり方でもある。君島大空は、彼が見た地獄すらなかったことにはせず、その先に行く。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より)ご購入はこちら Amazon楽天ブックスセブンネットショッピングタワーレコード オンラインHMV&BOOKS onlineFujisan.co.jp他ラインナップはこちらJAPAN最新号、発売中!Saucy Dog/別冊Official髭男dism/マカロニえんぴつ/BUMP OF CHICKEN/クリープハイプ/エレファントカシマシ/sumika[camp session]/ONAKAMA 2023/Mr.ふぉるて/ヤングスキニー/BE:FIRST 2023.03.24 08:00