周知の通り、ここ1年余りのMY FIRST STORYは、コロナ禍に苛まれたリスナーに寄り添うべく、インストゥルメンタル作品を含めた怒涛のリリースラッシュを繰り広げている。一方でHiro(Vo)は、森内寛樹名義のソロシンガーとしてもその歌唱力を遺憾なく発揮し、世間の注目を集めてきた。長年の夢を託したプランも一旦見送りにせざるを得なかったり、バンドとしても困難が降り注いだ時期であることは疑いようもないのだが、驚異的な反骨精神をもって次々に新しい戦略を打ち出すさまには頭が下がる。
約1年ぶりとなるフィジカルシングルは、リスナーに寄り添う姿勢をそのままマイファスの新たな武器に据えるような、繊細でありながらもどっしりと胸に響くラブバラード“告白”で始まる。《それでも愛が勝つの》という切々とした節回しが、痛みを強さに変える今のマイファスを映し出すかのようだ。カップリング曲“I’m a mess”はダイナミックなロックだが、流麗な旋律のレイヤーが歌曲としてのエモーショナルなパンチを押し出す。極めつけにEve“廻廻奇譚”のカバーが盛り込まれた盤石の一枚だ。(小池宏和)
歌で寄り添うことが、今の闘いだ
MY FIRST STORY『告白』
発売中
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SINGLE