音楽活動50周年を迎える細野晴臣の全作品から、小山田圭吾が選んだ34曲。
本作に音源はないが最初のバンドであるエイプリル・フールから、はっぴいえんど、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレー、YMOと彼が関わってきたバンドは常に日本のポップスに新風を吹き込んできた。73年の『HOSONO HOUSE』に始まるソロ作も然り。言うまでもないが、今では当たり前となっている打ち込みも、細野がYMOを始めたことで一気に広まったものだ。その足跡を、星野源による編集盤はほぼ踏まえながら細野の曲と歌に焦点を合わせているが、小山田は楽曲とサウンドで、それぞれの時代を牽引してきた細野の先鋭性をクローズアップし、また時代をシャッフルすることで緊張感のある流れを作り、彼の楽曲に一貫するポップセンスを際立たせている。だから高橋幸宏が歌うYMO曲も入っていたりするのだが、それによって細野の楽曲やサウンドが、広く親しみやすいものとなっていることに思い当たるのだ。
海外でも熱い支持を得ている細野は、世界の宝だ。この編集盤を聴くほどに、そう胸を張りたくなる。(今井智子)
祝50周年! 細野晴臣は世界の宝だ
細野晴臣『HOSONO HARUOMI compiled by OYAMADA KEIGO』
発売中
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