2009年に結成し、10周年を迎えた
女王蜂。最高傑作と謳われた前アルバム『Q』の続編として約2年ぶりにニューアルバム『十』をリリースする。ノンタイアップだった前回と比較するまでもなく話題性が抜群。アニメ『どろろ』のオープニングテーマ“火炎”。『東京喰種:re』エンディングテーマ“HALF”、映画『貞子』主題歌“聖戦”を含む、全10曲の爆発力溢れる収録内容。自在に操るファルセットボイス、スキャンダラスな歌詞、しびれるタイミングで切り込んでくるギター、理屈抜きに踊りたくなるメロディ。アヴちゃんの非凡な才能は、今作でも痛いほど感じることができる。孤高で唯一無二の存在と表現されることの多い彼らだが、かつて「ドンキに行く子にも響く音楽にしたい」と自身が語っていたように、ポップでキッチュなエネルギーも混在している。前作は今回への布石だったのだろうか、最高傑作の記録は更新されたと思う。間違いなく「やべえ」アルバム。この夏には「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」で、イツァーク役として舞台に上がるというアヴちゃん。こちらも楽しみだ。(峰典子)