夏のお供に

311『モザイク』
発売中
311 モザイク
1988年の結成からもうすぐ30年。90年代ミクスチャー・ロック勢の中でもとくにレゲエやファンク色が濃厚で、そのチル・アウト感が心地好いバンドである。本国アメリカでは、最初のヒットとなった95年のセルフタイトル作以降、多くの作品がチャート・トップ10入りする安定した人気を誇り、3年ぶりとなるこのアルバムの評価も高い。ブリンク182等パンク系バンドを多く手がけるジョン・フェルドマンをプロデューサーに迎えた今作だが、近年のクールでロック的なアルバムよりも、彼らの90年代の作品に通じる印象があり、レゲエやファンクのグルーヴに重心を置いたサウンドとなった。ジョンもスカ・パンク・バンド出身であり、同時期からシーンを駆け抜けてきた共通の背景もあって、バンドのルーツから今までをスムースに貫くサウンドが実現している。そして、円熟味を増したバンドのヴァイブを引き出したもうひとりのプロデューサーが、これまでエンジニア等を務めてきたスコッチ・ラルストン。鉄壁の布陣で、「モザイク」の名の通り、レゲエ、ヒップホップ、トロピカル、ロックを独自に敷き詰めた音楽で酔わせる。(吉羽さおり)
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