サマソニ出演も決まったチャーリーXCXの新ミックステープ。今年初頭には本人の口からリリースがほのめかされていたものだが、どうやら制作中の3枚目のオリジナル・アルバムの作業に行き詰まってこれを作ったらしい。音源制作のストレスを別の音源を作ることで解消するとはよほどの音楽好きだが、LAの自宅とイギリスで、わずか2週間ほどで完成させたというから、肩の力を抜いて勢いのままに作られたのだろう。『Vroom Vroom EP』で好感触を得たらしいエー・ジー・クックが全10曲中5曲でプロデュースを担当、ほかにソフィーやイージー・エフ・エックスなどエレクトロ畑のアーティストが参加。ムー、カップケーキ、レイやアフィなどのゲストも賑やかで、気の合う仲間と作り上げた親密さも感じられる。緻密に練り上げられた高密度のポップ作品になるはずの次のオリジナル・アルバムとは少し異なるであろう、リラックスした風通しの良さ、いい意味での荒々しいエネルギーのようなものが感じられ、楽しめる作品となった。アートワークもオシャレで、こういうアルバムが実質無料で楽しめるんだからいい時代である。（小野島大）