ルーズでロウでサイケデリックなディープ・ファンク。60年代ニュー・ロックのアシッド感覚、70年代のスライ・ストーンやPファンクの覚醒感、70年代ニュー・ソウルの甘美で軽やかなポップ・センス、などが華やかに、そして隠微に交錯するレトロ・サイケを展開する。
ザ・ブラック・キーズのような鋭角的で荒々しいロック感覚というよりも、包み込むような立体的な音響デザインで、浮遊するような艶めかしい空気感が漂っている。ブラック・キーズのある種のいなたさや乾いた埃っぽさのようなものは残しつつ、野暮ったくならないのはチャド・ブレイクのミックスの力も大きいだろう。なるほどこれはソロ・プロジェクトらしいソロ・プロジェクトであり、バンドを離れて作る意味のあるアルバムだ。(小野島大)