ダイナミック(Dynamic)でドリーミー(Dreamy)でデンジャラス(Dangerous)――キム・ゴードンのセカンドソロ『ザ・コレクティヴ』は、そんな「3D」アートロックの傑作。
オルタナティブヒップホップやトラップのいびつなビートとノイズがうねる面妖な体感型サウンドながら、ポップなフックが備わっていてクセになる。達観した高尚さや難解さを志向するのではなく、「今の音」に反応しながら生まれたコンテンポラリーな1枚だ。
基本的に取材は苦手というキムだが、『ロッキング・オン』4月号向けに話を聞く僥倖に恵まれた。ここ最近でも、シャネルとコラボし話題を呼んだ現代舞踏振付師ディミトリ・シャンブラスとの共演等、アート/カルチャーの最先端との柔軟なクロスオーバーぶりが窺えたが、やはり気になるのは本作を引っさげてのライブ。
「もちろん、私たちはぜひ日本に行けたらと思ってる! 私が最後に日本に行ったのは、確か2014年だったはずだし……あの時はヨシミ(OOIOOのYoshimiO)と一緒に2本くらいギグをやったっけ。願わくはこの夏に日本に行けたらいい、そのつもりで、私たちもトライしているところ」との回答だったが、その通り! フジロックフェスティバル'24への出演が決定しました。調べたところ、前回のキムの来日は2013年@ラフォーレミュージアム原宿でのひな祭りイベントだった。11年ぶりの帰還をお楽しみに。(坂本麻里子)
キム・ゴードンのインタビューが掲載されるロッキング・オン4月号