多くのファンが同じ感情に襲われていると思うが、大きな悲しみと同時に、持っていきようのない怒りの感情が沸き上がってくる。
それはいろいろなものに向けられた怒りなのだが、最終的には自分自身に戻って来る怒りだ。
彼女を生きにくくした世界、その世界に対する怒りは、その当事者である自分自身に帰ってくる。
そんなことを言うなら、人は世界の不幸に常に責任感を覚えなければいけないし、一種のナルシズムなのではという批判もあるかもしれない。
しかし自分のなかに広がる悲しみと怒りはどうしようもない。
本当にどれだけ言葉を尽くしても足りない素晴らしい才能だった。常にこれからを予感させ期待させるアーティストだった。彼女の最高傑作は、これから作られる、そう誰もが思っていた。
悲しいし、失われた未来への喪失感が大き過ぎる。
彼女に静かな時間が訪れていることを祈りたい。
シネイド・オコナー、亡くなる。
2023.07.28 12:05