これまでの長い歴史のなかでロックは常に新たなスタイルを獲得して自身を変化させ続けてきたが、それは1980年代にテクノやハウスミュージックといったダンスミュージックが勃興したときも同様だった。貪欲にダンスビートを取り込んで生まれた新時代のダンスロックは、80年代のオーディエンスに新鮮な驚きを与え、90年代を通してさらにオーバーグラウンドに接近し、成熟することで、00年代以降はロックのひとつのフォーマットとして定着した。
巨大な会場をぶち上げるビッグアクトから、DTMを駆使してパーソナルな心象風景を描き出すベッドルームポップまで、エレクトロニックミュージックの手法やトレンドを取り込んでロックとして鳴らすバンドやアーティストは今ではごく当たり前の存在となり、しかもそのスタイルは現在も日々、進化と多様化を深め続けている。ロックンロールはもともと人々を踊らせるダンスミュージックとして始まったが、そのDNAは今も時代の先端にあるリズムやグルーヴを求め続けているのかもしれない。
そんなふうにイノべーションを続けながらオーディエンスを踊らせ続けてきたダンスロックの足取りをたどり、そのおもしろさをもう一度味わい尽くすべくお届けするのがこの特集だ。80年代から現在に至るダンスロックの歴史を作り上げてきた52のアクトを紹介するアーティストレビュー。ロックバンドとして始まり、テクノユニットに変貌を遂げたのちも強力なサウンドで世界をロックし続けてきたアンダーワールドの回顧録。そして、そのアンダーワールドをはじめ世界の最先端のアクトを次々と招いて日本におけるシーンを作り出してきた屋内レイヴ「エレクトラグライド」の伝説まで、全方位でダンスロックの魅力を伝える全52ページ。
これはロックなのか? これはダンスなのか? そんなことはもはや関係ない。さあ、心と体を思いっきり躍動させながら楽しんでほしい。(小川智宏)
《特集ラインナップ》
●世代別ダンスロックアイコン徹底レビュー
●決定版アンダーワールドインタビュー(2008年)
●エレクトラグライドメモリアルレポート
誕生以来、常に変化を遂げながら進化し続けるダンスロック。その魅力と本質を多角的に掘り下げた、完全保存版の一冊です。
ぜひご覧ください!
5月7日発売の『ロッキング・オン』6月号、絶賛発売中です。ご予約はお近くの書店または以下のリンク先より。
Instagramはじめました!フォロー&いいね、お待ちしております。