現在発売中のロッキング・オン7月号では、コナン・グレイのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「このアルバムは、これまで感じたことのない、僕の人生における興味深くてエクストリームな時間を凝縮した、とても美しくて小さいカプセルなんだ」
ベッドルームポップシーンを代表するサッドボーイとして知られるこのシンガーが、新作『ファウンド・ヘヴン』で作風を変えてきた。「アルバムを作ることをちゃんと楽しめたのはこれが初めてだな」とコナンが言う。「ボーカルを録音しているときも笑顔だったし、それは聴いていても伝わると思う。みんながこのアルバムとそこにある喜びを受け取って、少しでも幸せを感じてもらえたら嬉しいよ」
コナンは正しい。今作からは喜びを聴き取ることができるし、それはこのアルバムが80年代から大きな影響を受けていることに依るところが大きい。筆者にとって、『ファウンド〜』はダンスフロアが持っている癒しの力の探求である。そしてダンスフロアに立つのに80年代以上に最適な時代があるだろうか? 《嘆いている暇はない、僕はダンスフロアに立っているんだ》とコナンは風刺に満ちたシンセ満載の楽曲“ブルジョワジーゼス”でそう歌う。初めてこのアルバムを聴いたときは、その新たなサウンドに立ちすくんだ『ファウンド〜』のサウンドは80年代の青春映画みたいだ。
『キッド・クロウ』や『スーパーエイク』とは完全に別物だ。妖艶で、楽しくて、歌詞がどれだけ悲しかろうが体を動かしたくなる。“ファウンド・ヘヴン”、“ブルジョワジーゼス”、“ボーイズ&ガールズ”、“ロンリー・ダンサーズ”、“ネヴァー・エンディング・ソング”などのアルバムのなかでも目立つ曲は、ブロンスキ・ビートの“スモールタウン・ボーイ”やデュラン・デュランの“グラビアの美少女”、ユーリズミックスの“ヒア・カムズ・ザ・レイン・アゲイン”をはじめとする80年代の名曲の数々を彷彿とさせる。全身に作用するタイプの楽曲群なのだ。
80年代の影響は明らかだが、それはコナンのペルソナにとてもよく似合うスタイルで表れる。それにしても1998年生まれのコナンはなぜ80年代に惹かれたのだろうか?
「真実を知りたい?」と彼が尋ねる。(もちろん)
「親友と一緒にとある家に泊まっていて、特大サイズのボウルいっぱいにチリを作って、さらにブラウニーとアイスクリームも用意して」と彼が言う。「それで『じゃあ今日は何を観る?』となって『ダーティ・ダンシング』を選んだんだよ。そして気づいたら僕らは映画を観ながら泣き喚いていて……あの映画をそれまで一度も観たことがなくて、そもそもそこがおかしいんだよね。他の80年代の定番は結構観ていたからさ」
(以下、本誌記事へ続く)
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