7月に待望のニューアルバムがリリース決定! ブルーノ・メジャーは、現代のポップミュージックにおいて特筆すべき才能を持ち合わせたミュージシャンのひとりだ。元々はジャズ畑出身で、セッションギタリストとしてキャリアを積んだ後SSWに転向、2017年にファーストアルバム収録の“イージリー”が爆発的なヒットを記録した。
その後もセカンドアルバム収録の“ナッシング”がコロナ禍での親密なベッドルームミュージックとして世界中のリスナーの気分にハマり、評価と人気を決定的なものに。これまでリリースした2枚のアルバムの総ストリーミング数は15億再生以上、ビリー・アイリッシュやBTSのメンバーからも惜しみない賛辞が届けられる……等々、押しも押されもせぬ重要人物となったブルーノ・メジャーだが、今回ついに3年ぶりとなるアルバムが届けられる。
前作で開花したオーセンティックとモダンの絶妙なバランスは新作『コロンボ』でもしっかりと継承されている。具体的には、無駄を排除したサウンドの中に緊張感あふれるギター音を絶妙に配置し、R&Bの優雅さやデスクトップミュージックの緻密さを配合したプロダクションを指す。確かなスキルと静かな感性に裏打ちされた“古くて新しい”音楽は、今の時代ならではの鋭さに加え、いわば古典として時の洗練を経たかのような耐久性をも持ち合わせている。
加えて今回は、ジャズだけでなくクラシックも含めた彼の素養がより一層掘り起こされた結果、さらに過去へ遡ったようなレトロな味が際立った。先行でリリースされた“ウィ・ワー・ネバー・リアリー・フレンズ”はもはや20世紀半ばのクラシックロックのような趣きで、MVも色あせたフィルム演出がノスタルジックに映る。けれども、もちろん懐古的なだけではない。これまで同様に細部までコントロールされた現代的なテクスチャーもひけらかさない程度にほんのりと味付けされており、その匙加減は一段と大人びた印象。8月には待望の来日公演も控えている。ここ日本でもついにブレイクか? 期待が高まる。 (つやちゃん)
ブルーノ・メジャーの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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