クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、バンド史上もっとも入手困難なファースト、まさかのオリジナル仕様にて再臨!

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、バンド史上もっとも入手困難なファースト、まさかのオリジナル仕様にて再臨! - rockin'on 2022年12月号 中面rockin'on 2022年12月号 中面

テイラー・ホーキンス追悼コンサートでのゼム・クルックド・ヴァルチャーズ涙の一時再会、抜群だったなぁ……というわけで多数のプロジェクトをあやつるジョシュ・ホーミ、彼の主要バンドであるクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの耳寄り再発情報をお届け。

大復活を記した“マタドール”移籍後の名盤2枚=初の全米1位作『...ライク・クロックワーク』(13年)と『ヴィランズ』(17年)の帯付カラー盤再発が12月に待機中なのも嬉しいが、この一連のリイシュー最大の目玉はやはりなんといってもファースト『クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ』(98年)のオリジナル復刻! 11年にリマスター&ボーナス曲追加でリイシューされたこともあったが、「98年版」と銘打たれた今エディションは原盤の曲順を踏襲、当時わずかな枚数しかプレスされなかったアナログ盤「トップレスのバイカー女」ジャケ仕様――CDの「ブラック・クロウズの『アモリカ』といい勝負」ジャケとは違います――とマニア泣かせな作りになっている。

『レイテッド・アール』(00年)と『ソングス・フォー・ザ・デフ』(02年)の傑作2枚でメインストリーム浮上を果たす前に“ルーズグルーヴ”(パール・ジャムストーン・ゴッサードが共同設立したインディーレーベル)からリリースされた本作は、クイーンズのアルバム中もっとも入手しにくいカルトな1枚だ。

低俗なジャケやヒスパニックのクレジット表記といった冗談交じりでアングラな煙幕も伝説化に一役買ったのは間違いないが、それはストーナーロックの雄:カイアスの名ギタリストとして知られていたものの前身バンドGamma Rayおよび本作で初めてマイクを握ったジョシュにとって一種の緩衝材だったと思う。

他のプレイヤーも参加しているとはいえ実質彼の自作自演に近い一種のソロ〜試走的内容(初代ベーシストのニックは本作完成後に参加)であり、そのぶん「CANとブラック・サバスストゥージズがジャムるごときサイケ&ヒプノティックなグルーヴロック」というユニークな音のアイデンティティが凝縮されている。まさに原点と言えるこの素晴らしいアルバム、マニアに独占させておくのはあまりにもったいない。 (坂本麻里子)



クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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