現在発売中のロッキング・オン6月号では、コーチェラ・フェスのライブレポート3本を掲載しています。本原稿の一部をご紹介。
新境地を見せつけたハリー、感情を爆発させたアーケイド、そして最年少HLのビリー ―― 3者3様の歓喜がコーチェラを包み込む
文=粉川しの
世界最高峰のポップスターであるハリー・スタイルズが今、ロックスターとしても頂点に立とうとしている!!……2020年代初のコーチェラの初日ヘッドライナーを務めた彼が、全米&全英ダブル1 位の最旬新曲“アズ・イット・ワズ”で全身をスパンコールで煌めかせながら大きく跳ねた時、そう確信せずにはいられなかった。ハリーのバンドが実力派揃いであり、彼のソロライブが華やかなエンタメの中心にロックを屹立させたものであることをファンは皆知っているが、それをコーチェラのオーディエンスに、配信を見守った世界中のリスナーに知らしめた意味はあまりにも大きいし、何よりも、至る所でギターがギャンギャン鳴っていた今年のコーチェラのムードを決定づけるパフォーマンスだったのだ。(以下、本誌記事へ続く)
コーチェラが提供するどこまでも解放的な2022年ポップミュージック体験
文=小池宏和
このテキストを書いている今、コーチェラ第2週の最終日ストリーミングが始まろうとしているところなのだが、第1週も3日目を中心に観た。名盤『プラネット・ハー』を携え、大所帯ダンスチームとのパワフルなパフォーマンスで度肝を抜いたドージャ・キャット。オーディエンスとの語らいの中でナチュラルな高揚感を築き上げたヴィンス・ステイプルズ。チカーノ・バットマンは、第一線のロックアーティストたちも羨むほどのエッジィなミクスチャー感覚をアッケラカンと鳴らしてしまうさまが強烈だったし、コロナ禍が尾を引く今日にも、これこそ2022年のポップミュージック体験なのだな、という光景に数多く触れることが出来た。(以下、本誌記事へ続く)
ポップミュージックは何度でも生まれ変わる ―― シーンの地殻変動を凝縮した超重要パフォーマンスたち
文=つやちゃん
この2年間、薄暗いクラブやライブハウス、インターネットではエキサイティングで新しいうごめきが同時多発的に勃興した。コーチェラは、ともすれば点としてばらばらに起こっているそれら数々の熱狂をコロラド砂漠の地で陽の下にさらし、エンターテイメントの力を借りながら大衆からのコンセンサスを獲得する場である。近年ややセレブリティショーのような様相を呈してきているのも、この世界的フェスに求められる役割が変化していることの証だろう。(以下、本誌記事へ続く)
コーチェラのライブレポート記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。