『サージェント・ペパーズ』50周年記念盤の話題はつきないが、今年ついに日本上陸し話題となったボウイの大回顧展「DAVID BOWIE is」でも、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が「イギリスの音楽に大変革をもたらした作品」として、最初の展示室で紹介されていた。イギリスのみならず、ロック・アルバムの概念を変えたことは、今さら言うまでもない。
時代を超えた著名人たちをコラージュしたジャケットは、過去から材料を集め新しいものに作り変えるというボウイ表現のイマジネーションともなっているが、最も大きな影響は〝架空のバンド〟という発想だ。
「『いや、それはやっちゃまずいだろう』と思うたび、『なぜ? いいじゃないか、これは別のグループなんだ、僕たちじゃないんだから』って、すごく自由になったのさ」
と、ポール・マッカート二ーは当時を振り返って語っている。
ボウイがスパイダース・フロム・マーズという架空のバンドでジギー・スターダストとして一世を風靡するのは、その5年後のことだった。
そして、「DAVID BOWIE is」には、ザ・ビートルズの等身大パネルと並ぶデヴィッド・ボウイの写真も展示されていた!
ボウイとマネージャーのケネス・ピットは、1968年当時計画していたキャバレー作品のために、イエロー・サブマリンのキャラクターのパネルを制作したそうで、写真はピットのアパートで撮影されたという。
『サージェント・ペパーズ』のスーパー・デラックス・ボックス・セットは6枚組に豪華ブックレットやポスター、そして江戸時代に錦絵を切り抜いて組み立てる元祖ペーパージオラマ:立版古などもついていてとにかくすごい。
外箱はホログラムになっていて、ミック・ロック写真集もそうだったので、並べてみた。
ロッキング・オン最新号では、今回の50周年盤を編集したジャイルズ・マーティンのインタヴューを掲載しているが、
次号8月号でもポールが『サージェント・ペパーズ』当時を振り返った貴重なインタヴューを掲載します。 こちらもお楽しみに。
そして、明日から京都では、先のデヴィッド・ボウイ写真集の作品を展示したミック・ロック展が開催される。詳細はこちら。
https://www.vacant.vc/davidbowiebymickrock
ホテル アンテルーム 京都のコンセプト・ルームはすでに埋まっていますが、様々なイベントが盛りだくさんなので要チェック。
なにより、ミック・ロックの最新ドキュメンタリー映画『SHOT!』が、京都みなみ会館で日本初上陸というのがすごい! 明日はプレミア公開記念としてドレスコーズ志磨遼平(東京の写真展ではミックと対談した)を迎えてのトーク・ショーも開催される。
ミック・ロックのインタヴューはロッキング・オン5月号にも掲載されてます。(井上貴子)