ジョセフ・ゴードン=レヴィットが30歳若いブルース・ウィルスを演じるSF『ルーパー』のUSレビューが100点に近い!
2012.09.27 12:45
今年のトロント映画祭ではSF映画として異例のオープニング映画に選ばれた『ルーパー』。今週末にアメリカでも公開になるのだけど、現時点でアメリカの批評家の点数を平均したRotten Tomatoesのサイトで、なんと平均93%という超高評価が付いている。しかも、有名批評家だけの点数を平均したものはなんと100%!
この作品、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィルスが主演で、ジョセフが30歳若いブルース・ウィルスを演じるという少々無茶な挑戦をしているのだ。そもそもほとんど似てないだろう?と思うのだけど、元々は、ジョセフが今作の監督&脚本のライアン・ジョンソンのデビュー作『Brick』に出演した時からの友人で、この企画の話をその時から聞いていたから出演することになったのだそう。
ジョセフの凄いところは、似てないだろうと思うのに、その疑問を最初に登場した瞬間に一瞬にして吹き飛ばしてくれるところだ。個人的には『ダークナイト・ライジング』でも一番良い演技をしていたと思えたジョセフなので、似てない分演技力でカバーしてしまったのではないかと思うのだ。特殊効果を使わないで似るようにするのが目標だったというから。
内容はあまり言ってしまうとつまらないので言わないけど、タイムトラベルが軸になっていて、敵を殺す仕事をするのがジョセフ。しかし、ある時なんと30年後の自分ブルースを殺さなくてはいけないことになるのだ……というところから始まり、物語は、場所と時代を行き来しながらも、最終的には思ってもみなかった方向へ転回していくのだ。
監督はこの作品を書く前に「フィリップ・K・ディックの作品をよく読んでいたので影響されたことは間違いない」と語っていて、SF映画でフィリップ・K・ディックに影響されてない作品はないくらいなので、それは当然としても、これだけSF映画がある中で、そこから監督なりのコンセプトを見いだしたところが素晴らしいと思った。また、ブルース・ウィルスが銃を発射する姿はあまりにアイコニックなのでそこに説得力を持たせるのはとても難しいと思うのだけど、この作品はそれに成功しているところが凄いのだ。
取材した際、ブルース・ウィルスが、『ダークナイト』で銃乱射があったことを受けて、そういう中で、暴力的な映画を公開することをどう思うかという質問に感動的かつ説得力のある応えをしてくれたので、公開の時にそれがご紹介できればと思う!
ちなみに、ブルース・ウィリスには、まだ2回しか取材したことがないんだけど、映画の中のマッチョなイメージとはほとんど真逆で、いつも、ほとんど消え入りそうな小さな声で思慮深く話す非常に繊細な人なので、本当に驚く。
『ルーパー』は、日本はお正月公開。来年の1月12日予定。
こちらで日本の予告編が。ウィリスになったジョセフも見れる。
http://looper.gaga.ne.jp/