なんとローリング・ストーン誌が売り上げを伸ばしている
2010.07.19 07:00
このご時世に、アメリカを代表する音楽誌ローリング・ストーン誌が売り上げを伸ばしているのだそうだ。しかも、Lady
Gagaがふんどしみたいな格好をしているおかげではないよう。
ちょっと前のNYタイムズの記事によると、その理由は、
http://www.nytimes.com/2010/06/28/business/media/28stone.html
ブッシュ政権以降雑誌が創刊当時のような政治的にアグレッシブな視点を復活させたからなのだそう。「ブッシュ政権と、9/11と、それに対する政府の対応が国を非常に危険な状況に陥れた。それで僕らも本質を取り戻したんだ」と創設者のヤン・ウェナーは語っている。そういえば、とりわけここ1、2号、ローリング・ストーン誌で掲載された記事が、普通のニュース番組で話題になることが多かった。
財政、環境問題、アフガニスタン戦争、石油問題など、ヤン・ウェナーも支持していたはずのオバマ政権を攻撃的に追跡。最近話題になったのは、"The
Runaway General”という記事内で、アフガン駐留軍司令官スタンリー・マクリスタルが、バイデン副大統領などを非難したため、オバマ大統領が解雇したこと。
http://www.rollingstone.com/politics/news/17390/119236
ブッシュ政権以降雑誌は売り上げを伸ばし、2008年には1号に付き平均140万部となった売り上げが、今年は150万部にまでなったそう。
さらにその理由は、隔週というスタンスがちょうど良いとの分析もされている。週刊誌はインターネットと競争したためにそのインパクトを失い、月刊ペースではニュースが古すぎる。隔週だと、月刊誌に比べるとより新鮮な情報を提供できるの加え、瞬時で消えるインターネット上の情報に対抗して、上記のような調査記事や、アーティストの長い紹介文など読み応えのある記事を本当の売りにできるからだそう。またそういう前衛的なジャーナリズムの体制というのは、ハンター・S・トンプソンの本拠地であったことからも明らかな雑誌のお家芸のひとつでもあると。
とは言え、調べてみたら去年一番売れた号は、アメリカン・アイドルで2位だったアダム・ランバートが正式にゲイ発言をした号だった。なので、ガガの裸表紙も含めた政治と話題性のコンビネーションということなのだと思う。
ちなみに、ヤン・ウェナーと言えば、Green
Dayが、バワリー・ボールルーム(600人)で、『21世紀のブレイクダウン』ライブをやった際に、なんと私の隣の席が”ヤン・ウェナーご一行様”のためにリザーブされていたのだ。別に私の席がその隣に確保されていたわけじゃなくて、私はVIPセクションの中でも最下層にいるため良く見えるように1番乗りくらいの早さで行ったら、隣の席が空いていた、というだけの話。念のため(笑)。
それでいつ来るかいつ来るかと思っていたのですが、待てど暮らせど来ず。そのうち、VIPセクションもパンパンで、誰かそこに座らないと逆に邪魔という感じになってきたのですが、みんなイス目がけてやって来ても”ヤン・ウェナー”の文字に一瞬で凍り付いて逆戻り。そこにローリング・ストーン誌のトップ・ライター、デヴィッド・フリッケさんが登場。みんな一斉に「座れば!座りなよ!」と言ったのですが、フリッケさんは「いや、オレいいっす」と言ってやっぱり座らなかった(笑)。そして最後までその席は空いたままだった。それが私がヤン・ウェナーに最も近付いた瞬間だった(笑)。