カズオ・イシグロ&マーク・ロマネック
2010.06.17 08:01
ソフィア・コッポラ映画に続き、この秋楽しみな映画その2。カズオ・イシグロ原作の『わたしを離さないで』の映画化。監督はなにしろマーク・ロマネックなのです。
彼は、ミュージック・ビデオの金字塔、ジョニー・キャッシュがNINをカバーしたの”HURT" のクリップを撮った人で、スパイク・ジョーンズなども参加したミュージック・ビデオ・シリーズ『Directors Label』発売の際にインタビューさせてもらったことがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=SmVAWKfJ4Go
http://www.d-label.jp/summary.html
もちろん”HURT"の話をたくさん聞いてしまったのですが、その中で印象的だったことのひとつはやはり、「”HURT" を作った後で、あれを超えるミュージック・ビデオは撮れると思えない」と言っていたこと。そんな作品を作れたというだけでも幸運なことですが、だから彼はその先どうしたって映画という、より深い表現にいくしかなかったわけです。
そしてできたこの作品(その前にも映画は撮っていますが)。予告編が昨日到着したのですが、巷では絶賛の嵐。カズオ・イシグロの人気小説のひとつ『わたしを離さないで』の映画化、原作の完成度が高ければ高いほど、ハードルは高くなるわけですが、この予告編を見る限りでは非常に期待できる作品になっているのでは!と。優れた小説の映画化は失敗する、のジンクスを破ってくれそうな気がします。
原作よりは、Carey Mulligan、Andrew Garfied、Keira Knightleyの三角関係に多く焦点が当てられているような雰囲気も満載ですが、しかしこれだけ美しいキャストだったら文句なし。彼の前作と"HURT"とこの作品に共通な冷たいブルーが印象的。たぶん好きな色なんだと思います。だから、空気感が冷たくて、そしてなにより悲しい。早く秋になれ!
http://www.youtube.com/watch?v=kymQcM4ej3w