この週末に行われたコーチェラをYouTubeの配信を見た方も多かったかもしれないが、ザ・ウィークエンドが噂されていた通り、初日の4月14日にサプライズで登場した。
上の映像にあるように、Metro Boominの枠で登場し、最後の6曲を彼がパフォーマンスした。パフォーマンスしたのは、
Faith
Escape From LA
Heartless
Low Life
Double Fantasy
Creepin'
でここで注目なのは、SNSで予告していた新曲の”Double Fantasy”を世界初披露したこと。
この曲については、ツイートにも『THE IDOL VOL.1』と書かれているけど、これは、『The Idol』(原題/2023年、U-NEXTにて見放題で独占配信予定)というこれから始まるTVシリーズのサントラに収録される曲だ。
しかも、この『THE IDOL』で、ザ・ウィークエンドは、ジョニー・デップの娘であるリリー=ローズ・デップと共演しているのだ。また、俳優として初主演を披露するばかりか、彼がクリエイターの1人でもあることから早くから注目されてきたのだ。放送開始が待たれていたのだけど、なんと先週発表されたカンヌ映画祭のコンペ外で世界初上映されることが決定した。
A24が製作も手がけるこの作品は、ザ・ウィークエンド他、ミュージシャンでは、コーチェラでアジア人アーティストとして初めてヘッドライナーを飾ったBLACKPINKのジェニーや、すでに俳優としても活躍しているトロイ・シヴァンも出演する。今日ちょうど最新の予告編が解禁となり、アメリカでの放送開始が6月4日と正式に発表された。
物語は、リリー=ローズ演じるポップスター=”The Idol”を目指すJoycelynが、重度のストレスによりツアーをキャンセル。そこから、”アメリカで最もセクシーなポップ・スター”と呼ばれるために、ザ・ウィークエンド演じるTedrosという自己啓発のカルトリーダーと複雑な関係に陥るという内容だ。
ザ・ウィークエンド自身の音楽シーンに関する意見や批判が反映されているのでは?という期待があるとともに、上の予告編を見てもかなり際どい内容のよう。なので、行き過ぎなのでは?とすでに懸念もされている。しかし、実際に見てみないことには分からないので、カンヌ映画祭での上映を世界が大注目している。
また、今作がさらに話題なのは、クリエイターの1人がサム・レビンソンで、彼が監督もしていること。彼は、ドレイクがエグゼクティブ・プロデューサーの1人であり、現在ゼンデイヤが主演で、ドミニク・ファイクも俳優として出演。記録的なヒットとなっている『ユーフォリア/EUPHORIA』(U-NEXT配信)のクリエイターで監督でもある。
なので、再び彼によるヒット作になるのではと期待されているのだ。とにかく音楽シーンでは頂点を極めってしまった感のあるザ・ウィークエンドの俳優としての新たな挑戦が楽しみで仕方ない。
1)ジャック・ホワイト出演のスコセッシ映画。
今年のカンヌ映画祭ではその他にも、ジャック・ホワイトが出演するマーティン・スコセッシ監督の『Killers of the Flower Moon』も上映される。
この作品が興味深いのは、ジャック・ホワイトの他、ジェイソン・イズベル、スタージル・シンプソンと、かなり絵になるミュージシャンが多く出演すること。それなのに、音楽スーパーバイザーのRandall Posterによると、ミュージシャンは映画の中で誰1人として音楽を演奏しないというのだ。
ジャックはこれまでにもジム・ジャームッシュの『コーヒー&シガレッツ』から、アンソニー・ミンゲラの『コールドマウンテン』、エルヴィス・プレスリー役を演じた『ウォークハード ロックへの階段』など役者としての経験はあるが、今回はどんな役を演じているのか楽しみだ。レオナルド・ディカプリオ他、ロバート・デ・ニーロなどスコセッシ映画の常連が出演する。
2)その他
今年はコンペティションも、コンペティション外も、強烈な作品が揃っている。日本からも、北野武監督の『首』や、是枝裕和監督『怪物』の上映が楽しみ。
その他、ヴィム・ヴェンダースが日本で撮影した『Perfect Days』から、かつてはジャミロクワイの”Virtual Insanity"を監督したジョナサン・グレイザーの新作に、スティーブ・マックイーン、ウェス・アンダーソン、さらに夏にはボブ・ディラン映画を撮るジェームス・マンゴールドによる『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』など書ききれないくらい。カンヌ映画祭は5月16ー27日に開催される。
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