ボブ・ディランの来日公演、残すところ3回。再びサプライズがあるのかないのか、米メディアも引き続き大注目。

ボブ・ディランの来日公演、残すところ3回。再びサプライズがあるのかないのか、米メディアも引き続き大注目。

さすがボブ・ディラン。ライブで1曲違う曲をやっただけアメリカでもニュースになっているし、しかも一度だけじゃなくて、引き続きニュースになっている。

前に一度ローリング・ストーン誌が書いたことを紹介したけど。
https://rockinon.com/blog/nakamura/205958

日本のライブで引き続き、ディランがこれまでのセットリストになかった曲を演奏し続けているので、それもまたレポートしている。

1)4月12日:ここで注目されている理由は、今回の『Rough and Rowdy』のツアーでは、セットリストが固定しているのに、東京公演の2日目14曲目で、普通だったら、“That Old Black Magic”を演奏するところを、いきなりグレイトフル・デッドの”Truckin'”を演奏したことに始まった。
https://ameblo.jp/high-hopes/entry-12798301476.html

2)4月14日:その後、果たしてどうなるのか誰も分からなかったが、東京公演4月14日の3日目では、再び14曲目で、グレイトフル・デッドの”Brokedown Palace”を披露。

”Truckin’”も、『American Beauty』に収録されている。上の記事によると、そこから今度は自らの曲”Melancholy Mood”が演奏されたそう。この曲も今回のツアーでは日本初演奏。

3)4月15日:この日も14曲目を変えて、またグレイトフル・デッドで違う曲”Not Fade Away”(原曲はバディ・ホリー)を演奏。
https://ameblo.jp/high-hopes/entry-12798736532.html

4)4月16日:東京公演の最終日。
https://ameblo.jp/high-hopes/entry-12798890781.html

上の記事によると、この日は14曲でこれまでの”That Old Black Magic”に戻っていたのだけど、16曲目にサプライズが。またグレイトフル・デッドの”Brokendown Palace”が演奏された。

そしてこの後、今日から名古屋公演が始まる。

5)ローリング・ストーンの記事
以上のことについて、ローリング・ストーンが書いてることもまた面白い。以下、要約すると。

「ボブ・ディランが、グレイトフル・デッドの”Trukin’”を東京ガーデンシアターで演奏した時は、その時1回だけのことかと思っていた。しかし、なんと次の日もまたデッドの”Brokendown Palace”をやったんだ。ただ、途中でどうやら歌詞を忘れてしまったらしく諦めてしまった。

しかも、土曜日に再びデッドの”Not Fade Away”を披露した。

この曲は、バディ・ホリーが書いた曲だが、デッドが、1969年から1995年に566回も演奏し、ディランは、1997年の初めてカバーした。また、ホリーが亡くなって40周年を記念して、1999年の初めに演奏してからというもの、ショーの定番にもなっていた。しかし、2002年に演奏するのを止め、2009年にホリーの故郷であるテキサスLubbockで演奏して以外は演奏していなかった。それなのに、それから14年ぶりに今回初めて日本で演奏したんだ」

ディランは、ホリーが亡くなるわずか3日前にミネソタで彼のパフォーマンスを見ていたそう。それで、『Time Out of Mind』を作っている時に、彼がいつも一緒にいるような感じがしたと語っていた。

そして、東京公演の最終日となる、4月16日にもまた”Brokendown Palace”に挑戦したことに触れ、

「今度は90秒ほど演奏してから止めた。そこから”Goodbye Jimmy Reed”の演奏を始めたんだ」

「なぜ今になってディランがいきなりデッドのカタログを演奏し始めたのかもちろん知る由もない。だけど、この2組の歴史は何10年も前にまで遡り、デッドもディランの曲を17曲演奏していたし、1987年にはアメリカのスタジアムツアーを一緒に行い、それがライブレコードの『Dylan & the Dead』にまでなった。批評家の評判は悪い作品ではあったけど」

2003年にデッドとディランは再びツアーをして、ディランはそれ以来、他のバンドとはツアーをしていない。

「このまま“Help on the Way”, “Slipknot!”, “Franklin’s Tower”もこのツアー中に演奏してもらいたいものだが、現時点では、”Brokendown Palace”も最後まで演奏できていないくらいなので、それは高望みだろう」

ここで笑えるのが、ジョン・メイヤーが、現在Dead & Companyとツアーしているけど、この夏で終わると。だから「シンガーが必要だったら、今日本でオーディションをしているやつがいるよ。歌詞カードさえあれば、歌えるから」と締め括っていたこと。

日本公演は名古屋の3回を残すのみ。場所が変わり、果たしてカバーが披露されるのかどうか。名古屋の皆さん、アメリカのメディアも見ています!

追記1(4月19日)
昨日の名古屋公演初日で、東京公演で何度も試して最後まで演奏できなかったデッドの”Brokendown Palace”を遂に最後まで演奏して大喝采だったそうです。以下にレポートがあります。もちろん、それが見所のライブではないですが、日々の変化の楽しみどころのひとつではあります。これで演奏しきったので、残りの2回はどうなるのかまた楽しみです。

追記2(4月20日)
昨日の名古屋公演2日目では、名古屋初日に”Brokendown Palace”を演奏しきったので、東京公演でやったもう1曲”Not Fade Away”を演奏したそうです。

そして今夜名古屋最終日。日本公演最終日です。今日は何を演奏するんでしょう?東京でいきなり演奏してびっくりした”Truckin”に戻るのでしょうか?楽しみです。なぜ急にデッドをカバーし始めたのかは不明のままですが、最終日をご覧になるみなさん楽しんでください。ディラン81歳。どうかまた日本に来てくれますように!

残りの3公演のチケットについてはこちら。

またディランは、6月2日に世界同時発売で新作『Shadow Kingdom』を発売すると発表している。詳細はこちら。
https://www.sonymusic.co.jp/artist/BobDylan/info/551440


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