フー・ファイターズが12月までのツアーを全キャンセル。日本時間月曜日のグラミー賞ではテイラー・ホーキンス追悼が。バンド出演は未定。ポール・マッカートニーが長文で追悼発表。

フー・ファイターズが12月までのツアーを全キャンセル。日本時間月曜日のグラミー賞ではテイラー・ホーキンス追悼が。バンド出演は未定。ポール・マッカートニーが長文で追悼発表。 - pic by Charles Reagan for Lollapalooza 2021pic by Charles Reagan for Lollapalooza 2021

これは当然だが、フー・ファイターズが、12月まで予定されていたツアー日程約50公演以上を全てキャンセルした。以下がバンドのコメント。


1)

「非常に悲しいのですが、フー・ファイターズは、我々のブラザーであるテイラー・ホーキンスの予想もしていなかった死を受けて、予定されていた全てのライブをキャンセルします。計画していた通り皆さんに会えなくて非常に残念で失望しています。代わりに、追悼し、癒し、愛する人たちと寄り添い合い、私たちが一緒に作った音楽と思い出を感謝する時間にできたらと思います。

愛を込めて
フー・ファイターズ」


ツアーは、アメリカからヨーロッパ、オーストラリア、ニュージランドでも行う予定だった。コロナ前に25周年記念ツアーをするはずだったバンドが、去年から待ってましたとばかりに再始動したところだった。

リアム・ギャラガーも出演するマドリッドのスタジアムライブや、いくつもの豪華なメンツのフェスのヘッドライナーもあった。

私が去年観たロラパルーザのヘッドライナーでも、デイヴは、「自分が夢にまで観たこの日がとうとう実現した」とファンの前で歌える喜びをあらわにしていた。一番上の写真はその時のもの。

2)バンドは、ツアーばかりか、最近では、『Studio 666』というフーファイのファンなら大喜びの超おバカなホラー・コメディ映画を公開したばかりだった。

私も公開された直後の徹夜明けの昼間に劇場に行ってビールを飲みながら、5人くらいの観客と観たけど(笑)、そういう状況で観る最高の作品だった。デイヴ・グロールは、『メディスン・アット・ミッドナイト』でインタビューした際に、レコーディングで借りた家に絶対に幽霊がいたと言っていた。変なことばかりが起きて、最終的に何があったのかが分かり、秘密保持契約書にサインまでさせられたと。この映画はその家で撮影されている。

さらにデイヴさんらしいとしか言いようがないのが、この映画に登場する架空のバンドDream Widowとして、スラッシュメタルのアルバムまで作り発売したばかりだった。

3)ポール・マッカートニーの追悼文。
バンドと共演したことがあるばかりか、去年のロック殿堂入りでは、バンドの殿堂入りのスピーチをしたポール・マッカートニーが長い追悼文を発表している。

「テイラーの死は、私にとっても、彼を知り愛する人たちにとっても非常にショックなことでした。

彼は偉大なドラマーだったばかりでなく、その個性も偉大で、輝いていました。幸運にも彼と人生を分かち合い、仕事できた人たちは、彼を酷く惜しむことになるでしょう。

私は、フー・ファイターズに彼らの曲で演奏するように頼まれたことがあります。しかも、なんと私にドラムを叩いて欲しいと言うのです!それはテイラーの曲ででした。つまり、このお願いは、2人も偉大なドラマーがいるバンドから来たものだったと言うことです! このセッションが本当に素晴らしかったので、私のテイラーとバンドメンバーとの絆を築いてくれました。

その後、ロック殿堂入りのスピーチをして欲しいとお願いされ、そこで”Get Back”を歌いました。テイラーはパワフルなドラムを演奏してくれました。あの夜のことは絶対に忘れません。このような思い出があったため、彼が亡くなったいう知らせは、よりいっそう絶望的で悲しくショックなことでした。

テイラーどうもありがとう。輝かしい時間を私と一緒に過ごしてくれて。あなたは真のロックンロールヒーローであり、私の心にいつでもいます。

彼のご家族とバンドにお悔やみ申し上げます。

ラブ、ポールX」



4)グラミー賞でテイラー・ホーキンスの追悼

現地時間日曜日にラスベガスで開催されるグラミー賞で、フー・ファイターズがパフォーマンスをする予定だった。

フー・ファイターズが12月までのツアーを全キャンセル。日本時間月曜日のグラミー賞ではテイラー・ホーキンス追悼が。バンド出演は未定。ポール・マッカートニーが長文で追悼発表。

しかしテイラー・ホーキンスが亡くなったため、急遽予定が変更。まずバンドがパフォーマンスするのはキャンセルされた。現時点では、テイラー・ホーキンスの追悼が行われることは決定している。バンドとご家族のことを考えて、どのように追悼するのが正しく敬意を表せるのか現在検討しているところだと言うこと。

バンドの精神状態を考えると、すぐに色々なことを決めるようにお願いするのも無理なので、現時点ではバンドがどのような形でこの追悼に関わるのか不明。ギリギリまで検討するそうだ。番組の担当者がVarietyのインタビューに答えている。

フーファイは、3部門でノミネートされていて、2部門で受賞すると予想されている。
-ロック・パフォーマンス : “Making a Fire”
-ロック・アルバム : “Medicine at Midnight”
で、
-ロック楽曲 : “Waiting on a War” は、ポール・マッカートニーの”Find My Way”が現時点では取る確率が高い。
バンドがそもそも式に出席できるような精神状態なのかも不明だ。

日本の放送についてはこちら。



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フー・ファイターズが12月までのツアーを全キャンセル。日本時間月曜日のグラミー賞ではテイラー・ホーキンス追悼が。バンド出演は未定。ポール・マッカートニーが長文で追悼発表。

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