悩みの中にいた菊池陽報が、腹心のマネージャーに言われたという「私は、日本武道館に立つべき人だと思っている」という言葉。
パンパンの日本武道館に立つThis is LASTは、まさにここに立つべきバンドだった。
3ピースの軽快なロックソングから、ストリングスやピアノを用いた深遠なバラードまで。この数年間でグッと広がった音楽性は、この広い会場でこそ響く音となって、LASTの音楽的ポテンシャルを見せつけていた。その名をお茶の間にまで広げた“シェイプシフター”は、ドラマに向けて書かれた曲ながら、《不器用な愛で変わってく》LASTの今をとことん映し出していた。
このままかっこよく最後まで行くか?と思った矢先、飛び込んできたのは、冒頭の言葉を明かしたMC。進むべき道に迷っていたバンドを導いたマネージャーへ、12年間そばにいた鹿又輝直へ、バンドの岐路を支えたサポートベースの芳井雅人へ、そして僕ら一人ひとりへ。あまりにも赤裸々でまっすぐな感謝の想いが溢れていた。
いろんな人の愛を受けて、愛を渡して、LASTはここにいる。“拝啓、最低な君へ”で映し出された映像には、いろんな時代の3人がいて、LASTはこれまでのすべてを背負って、文字通りみんなでこの場に立っていた。
今回のライブタイトルは「通過点」。不器用ながら、たくさんの愛を抱き留めて変わっていくLASTは、これからもっともっと大きな場所で、大きなものを背負って、大きな音を鳴らしていく。その未来を確信したライブだった。(畑雄介)