9月18日に待望のサード・アルバム『MGMT』をリリースしたMGMTだが、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・サービスにバンドがあまり情報を共有し過ぎるのは健全なことではないと語っている。
イギリスのエンタテイメント・ニュース・サイト「デジタル・スパイ」の取材を受けたアンドリュー・ヴァンウィンガーデンとベン・ゴールドワッサーは情報を常に更新するようにファンから期待されると非常に居心地が悪いと説明していて、今年に入ってまでツイッターを始めなかったのもそのせいだと語っている。
「みんなアーティストの生活のあらゆる側面をファンと分かち合うことを期待するようになってきてるんだよ」とベンは語っている。
「そうなると、この世界全体が変わってきてしまうわけで、たとえば、デヴィッド・ボウイのような人は二度と出てこない世界に今はなってるんじゃないかという話にもなってくるんだ。そもそもデヴィッド・ボウイについてどれだけのことが知られていたのかっていうね。デヴィッドは自分とは違う、自身が作り上げたキャラクターになりきることで謎めいたイメージをまとうこともできたわけなんだよね。そのキャラクターがどれだけ実際の自分を反映しているのか、あるいはそのキャラだけの話なのか、誰にもわからないことだったんだよ。そういう側面がだんだん失われつつあるんだ」
ただ、自分たちに納得できるやり方で活動を続けている人たちの一例としてアンドリューはダフト・パンクを挙げている。
「だからって僕たちも仮面をかぶりたいとか、そういうわけじゃないんだよ。ダフト・パンクについて本当にすごいと思うのは二人の神話があまりにも完璧で、イメージがまったく何にも左右されないってことで、これは実はとんでもないことだと思うんだよ。僕たちはまったくそういう次元には行っていないと思うけど、僕たちの周りにも謎めいたことや疑問がある程度存在していることについては満足してるんだよ」
現在、ヨーロッパ・ツアーを敢行中のバンドは11月からアメリカ・ツアーに乗り出し、その後年末のオーストラリア・ツアーを経て来年1月に来日公演を予定している。
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