スティーヴ・アルビニに批判されたアマンダ・パーマー、アマチュア・ミュージシャンへのギャラの支払いを始める
2012.09.23 20:00
自身のライヴにファンのミュージシャンなどを無料で自分のパフォーマンスに参加させ、ニルヴァーナのプロデューサーとしても知られるスティーヴ・アルビニなど多方面から批判を受けたアマンダ・パーマーは、しっかりギャラを払う方針に変更したことを明らかにしている。
アマンダは自身の新作『Theatre Is Evil』を出資者募集サイト、キックスターターで一般スポンサーを募った後に120万ドル(約9360万円)を集めてアルバムのリリースに成功したが、その後のツアーの企画では、公演地各地で「プロっぽいホーン・セクションとストリングス」ができる人にステージに参加するように要請していた。
その報酬としてアマンダは次のようなものを提示していた。「ビール、ハグ、お好みの高さでのハイタッチ(高さを指定してね)、ハッパ、それとわたしたちが鳴らそうとしているでっかいサウンドに協力してくれてめちゃありがとう~っていう気持ち」。
この真意を『ザ・ニューヨーク・タイムス』紙に問われ、アマンダがファンも無料で参加したがっているし、これ以上のバンド・スタッフの人件費はもうまかなえないと発言したところ、ファンの激怒を買うことになり、特にスティーヴ・アルビニは「公の場で自分はアホですと公言してるようなものだ」と批判した。
これを受けてアマンダは現地で参加したミュージシャンへのギャラの支払いを開始し、さらにこれまで参加したミュージシャンについてもすべて遡って報酬を支払うと方針を変更し、予算のやりくりをしてミュージシャンのギャラを捻出したと語っている。
「バンドのみんなといろいろ話し合って、ゲスト・ミュージシャンについても全員に報酬を支払うべきだという結論に達したのね。わたしたちならできると、むしろ、やるんだということで」とアマンダは自身のオフィシャル・サイトで宣言している。
「そこでマネジメントに予算のやりくりを見直してもらって、あっちやこっち(主にヴィデオ制作用の予算)からお金を引っ張ってきてツアーの予算に充てることにしたわけ。こうした予算から捻出した新しい予算はすべて現地の観客からの有志ミュージシャンに支払われることになったの。みんなビールとか、ハグとか、グッズとか、チケットとか、愛とかと引き換えに参加してくれる気になってたんだけど、現金も支払われることになりました」
なお、アマンダの新作『Theatre Is Evil』はビルボード誌のアルバム・チャートで今週初登場10位につけている。