ザ・ビートルズのリーダーとして、ジョン・レノンが“脅威”を感じたポール・マッカートニーの曲について、「FAR OUT」が取り上げているので紹介する。
1964年より前となるザ・ビートルズの結成期には、バンドの主要ソングライターだったジョン・レノンとポール・マッカートニーは、“I Want To Hold Your Hand”や“She Loves You”といった曲を共作し、かなり密接に曲作りに取り組んでいたという。
しかし、ポールが作曲した“Can't Buy Me Love”を耳にしたジョンは、激しく競争心を掻き立てられて曲作りに没頭し、その競争心が次のアルバムへの原動力になったとのこと。
“Can't Buy Me Love”がシングルのA面に選ばれたことでジョンは脅威を感じ、スタジオにこもってB面のために自身の初ギターソロをフィーチャーした“You Can’t Do That”を制作しただけでなく、映画『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』のテーマ曲“A Hard Day’s Night”も作曲。
さらにジョンは、“I Should Have Known Better”や“Tell Me Why”、“If I Fell”を次のアルバムのために書き、ポールの曲“Can't Buy Me Love”に感化されたおかげで、ジョンにとって最もソングライターとして実りのある時期となった。
2004年に「Uncut」のインタビューでポールは、ソングライターとして最大のライバルだったジョンとの関係について、次のように振り返っている。
私たちにとってライバル関係は、(ソングライターとして)お互いに緊張感を保つ最高の形だった。私が“Yesterday”を書けばジョンが“Norwegian Wood”を作曲し、彼は“Strawberry Fields”を書き上げた。ジョンは大きな賭けに出たようだったから、私は“Penny Lane”ぐらい良い曲を生み出さなくちゃならなかったんだ。でも、いつもそんなだった訳じゃないよ
なお、以前に「FAR OUT」は、初めてジョン・レノンの尊敬を勝ち取った、ポールが書いたザ・ビートルズの曲についても取り上げている。